三
倒れ方が悪かったらしく、松寿丸の背中に激痛が走る。
低く呻き声を上げるが、弥三郎は意に介する事なく両肩を押さえてきた。
「弥三…!」
一瞬、松寿丸の動きが止まる。
普段、昼間でも薄暗い庵の中では判らなかった弥三郎の蒼い瞳を見たからだ。
『深い…海の色…』
そう認識出来る程顔が近付いたかと思ったら、行き成り唇を奪われた。
「むぐっ…!んン!」
不意打ちだったせいで、無防備に開いていた口内に簡単に舌の侵入を許してしまい強引に貪られる。
弥三郎に、身体全体で押さえ込まれ、松寿丸は身動きが出来ず好きに口内を弄られていた。
「!」
弥三郎の手が、松寿丸の胸元に来た時、突然唇が離れた。
「…嫌でしたか?」
噛まれて血が出た己の唇を擦り、弥三郎が微笑んでくる。
だが、息が整わない松寿丸は答える事が出来ずにいた。
「でも、聞くと決めましたから…」
そう言ったかと思うと、弥三郎は松寿丸の衿に手を掛け、一気に開いた。
サラシが巻かれた胸元が露になる。
「止め…!」
制止の言葉を聞きもせず、弥三郎はサラシをずらし、その桜色の頂きに舌を這わせた。
「やっ…!」
初めての感触に、松寿丸身を竦める。舌で転がされ、その部分が次第に芯を持ち始め、更に感度が増してくる。
「あっ…やぁ…」
「こんなに愛らしいのに、何故男の格好を?」
松寿丸の吐息に、甘さが混ざり始めた頃、弥三郎が再び問い掛けてきた。
「き、貴様には関係無…うぁっ!」
グリッ、と、弥三郎の膝が松寿丸の股座を押し擦る。二回、三回と、初めは全体的に、そして、段々一番敏感な部分に焦点を合わせてきた。
「あうっ!い…やっ!ソコ…嫌…だ、弥三郎…」
「…そうですか」
弥三郎は、松寿丸の股座から膝を離し、そして、徐に袴を剥ぎ取る。
「え?」
その手際が良すぎて、一瞬、松寿丸は何が起こったのか理解出来なかった。
ずいっ、と弥三郎の顔が迫る。
「本当に嫌なのか、確かめてあげますよ」
そして笑みを浮かべ、そう耳元に囁いてきた。
トップへ