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※ガレーラ潜入前の若いカクが出てきます。捏造注意


その時のカクの上司ははっきりと言って変態だった

大っぴらに娼館へと足を運ぶその富豪の男は、今回の任務のターゲット。
何をして政府に狙われているのか、それは別段問題ではない。いつも通り、カクは仕事を遂行するだけだった。

「なあカク、お前娼館にはいくか?」
「…いいや、いかんのう」

にやにやと笑う男に心底げんなりした。
カクは元来まじめな男である。性欲はあるが、わざわざ娼館にまで行くことは少ない。そもそもそんなことを言っていられるほど暇はない。仕事が立て込んでいる。
その仕事というのも、このターゲットである上司の尻ぬぐいが大半なのだが。

人がまじめに仕事をこなす傍ら娼館に足しげく通うその男に対して何度殺意を抱いたことか。その時になればよっぽど残酷な消し方をしてやろうかと私情を挟むのも若さゆえか。

「最近ヤバイ嬢を引き当ててな…。お前ならその嬢の相手もできそうだと思ってな」
「…ヤバイ嬢?」
「ヤバイ。新世界が見れる」

…それは、SMということだろうか。
カクの冷たい視線に気が付いた上司は鼻息荒くSMなんてありふれた低俗なものではないと目を血走らせて口走る
このターゲットは薬でもしておったかのう。

ぼんやりと頭の片隅でそう考えてから、どうでもいいことだと片隅に追いやる。

「とにかく、行くぞ」
「は?なんでわしが」
「お前が一番いい反応しそうだからだよ!」
「いや、ちょ…おい!」

ぐいぐいと腕を掴んで引っ張られる。上司でなければ今すぐにでも蹴り飛ばしてしまいたいが目立つ行動は控えるべきだと、内心煮え返るはらわたを抑え込みひきつりつつも営業スマイルでカクは耐えた。






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