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2014/03/15



フォロワーさんのショタに感化されて。
御堂筋幼児化パロ注意。




「今日は湯豆腐にしよな」
一日お留守番を頑張ったご褒美やでと言うと黒々とした瞳が丸くなり、その小さな足が一目散に台所へと駆けていく。
シンクの下から両手で引っ張りだしてきたのはいつも湯豆腐を作るときに使っている鍋で、ありがとうと受け取ると急かすように足にしがみついてきた。
「今から作ってやるから大人しゅう待っといてや」
頭を撫でて宥めるとむっとした表情で御堂筋は「きょういちにちさんざんまったで!」反論する。
確かに今日は大学の用事で日曜日だというのに朝からずっと外出していた。
御堂筋は俺がいなくても好き勝手遊ぶだろうし、むしろいなくて清々すると言っていたが、いくらませていてもまだ5歳児だ。日曜日に一人で留守番なんて寂しいに決まってる。
母親のこともあるし嫌な思いをさせてしまっただろうと詫びに今日は御堂筋の好きなものを夕飯にしようと豆腐をたくさん買ってきた。
本当ならうなぎも買って帰ってきてやりたかったが、貧乏学生にはキツくて今度金を貯めて買おうと決意しつつ鍋を火をかける。
「今日は何してたん?」
「こんちゅうのほんみとったわ」
「ほうか、御堂筋は本が好きやな」
「べつに、ひまだからみとっただけや」
「今日は外連れてってやれんですまんな、来週は自転車乗ってどっか遊びにいこな」
「いしがきくんがおらんくてもあそびにくらいいけるで」
「え、まさか今日一人で外行ったりしてへんよな!?」
「……してへんよ」
御堂筋は拗ねたように俺の足から手を離すと居間に置いてある炬燵のとこまで歩いていきズボッと頭から炬燵の中に突っ込んでしまった。
「御堂筋ー?」
「……」
「炬燵の中だと息苦しいやろ?顔だけでも出しぃ」
少しの間があって、ずるりと顔だけが炬燵から飛び出てきた。
床に押し付けている顔を上げて、大きな口かカパッと開く。
「ええよ」
「ん?」
「らいしゅう、いっしょにじてんしゃのってやってもええよ」
「そうか!ありがとうな!」
嬉しくて礼を言うと御堂筋はずりずりと炬燵から這い出てきた御堂筋がまたこちらに寄ってくる。
「ゆどうふまだ?」
「もう出来るで、お皿用意してや」
「おん」
素直に棚から皿を出すのに背伸びする御堂筋に、少しは近づけたかなと思って試しに翔と読んでみたら歯茎を剥きだしにして睨まれた。



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