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2014/03/15



r18注意




「日向、ごめんな本当」
両手を合わせ、上目遣いに謝ってくる伊月は文句なしに可愛い。
けれども、それと代償に失ったのは貴重な武将フィギュアだったわけで。
その可愛さに浸ることもできないわけで。
「はぁ……」
「ごめん、壊そうと思ってたわけじゃないんだ」
「そう思ってたら殴ってる」
「いやしかし、あんな簡単に壊れるんだな」
「当たり前だ!そんな頑丈に出来てねぇの見りゃ分かるだろ!」
「うーん、許してよ。今日はお前の我侭聞いてやるからさ」
そう言いつつくすくす笑う伊月に反省の色はない。
もしかしなくてもこいつ、俺の落ち込む姿を見て楽しんでやがる。
この野郎、少しは痛い目を見てもらおうじゃねぇか。
そう思うやいなや伊月の両肩を掴んで強く押せば、細い身体はいとも簡単に床へと倒れる。
「日向?」
驚いて切れ長の目を丸くする伊月をよそに彼の服に手をかける。
「我侭聞いてくれるんだろ、ヤるぞ」
「わ、マジかよ」
「大マジ。あと、もうひとつ」
「……何?」
「嫌だ、とかやめて、だとか否定の言葉は一切口にすんな」
「え、俺そんな言ってるかな」
「言っとる。とにかく禁止だ。分かったな」
「う、うん」
何も分からないまま頷く伊月に、思わず唇は弧を描いた。


無意識に発する言葉を抑える。というのは想像以上に難しいらしい。
強引に腰を進めれば伊月は一層高く鳴いた。
「ひ、やぁ、あ!や、」
「ヤダ禁止つったろ。」
「ぁ、んく……」
あまりに耐えられないのか伊月は唇を噛んで声自体を封じてしまう。
「こら、血ィ出たらどうすんだ」
「ふ、ぁ」
口に指を突っ込んで中を掻き回せば舌がびくん、と跳ねるのが分かった。
「は、う、」
「黙れとか言ってねぇからな。むしろ喘げ」
「で、も、はぁ、勝手に……言っちゃうから、ぁ、」
「なら別の言葉にしろよ」
「別……?」
「嫌じゃなくて、気持ちいいって」
「なっ!」
「ほら、素直になれよ」
律動を早めれば限界が近いのか、耐えきれないのか、伊月はカタが外れたように掠れた声で叫んだ。
「いいっ……きもち、いい、よぅ」
「っ!」
瞬間、全身の血が逆流するような感覚と、理性が千切れる音が聞こえた。
「ひぁ、あ!」
「伊月、伊月……っ、」
「ひゅが、いい、ん、きもち、ふ、う」
「はぁ、俊、」
「あ、ふっ、じ、ゅん、ぺい……!」
あまりの伊月の可愛さにやられた俺は、気が済むまで伊月の身体を貪り尽くすことを決めた。
悪いな伊月、怒られるのは俺のほうだわ。

やわらかな拒否
(それよりも素直な欲情が、いい)



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