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2014/03/15



R18注意




「ねぇ、森山先輩」
「嫌だ」
「お願いッスよー!」
「断る。身の危険をひしひしと感じるからな」
「そんな〜!」
両手を頭の上で合わせてお願い!と潤んだ瞳でこちらを見る黄瀬は文句なしに可愛い。
女の子ならきっと落ちているであろう。女の子、なら。
生憎俺は男で、しかも黄瀬の提案していることはとてもじゃないが頷けない。
けれど珍しく黄瀬も引かなくて、外でしとしとと振る雨音をBGMにソファの上で攻防は続く。
「もーりーやーまーせーんーぱーい」
「しつこい」
「何してんだ、黄瀬」
「あ、笠松先輩!」
「おかえりー」
「ああ、ただいま」
口論に夢中で気付かなかったが、出かけていた笠松がいつの間にかリビングへと姿を表していた。
雨で少し肩口が濡れている。タオルを持って来ようと立ち上がると何を争ってたんだと笠松が聞いてくる。
「森山先輩、一緒にお風呂入ってくれないんスよ!」
「当たり前だ。わざわざに喰われに行く鹿がいるか?」
「喰うだなんて失礼ッス!ちょっと悪戯するだけッス」
「だけじゃねぇよ!とにかく、俺は一緒には入ら、な……」
言葉が止まってしまう。それまで話を聞いているだけだった笠松がいきなり俺の腕を掴んだから、驚いてしまった。
「笠松……?」
嗚呼、嫌な予感がする。恐る恐る問いかけると真っ直ぐに俺を見て、こう言った。
「もちろん、入るよな?」



「んぅ、や、だ」
浴槽の中で身動きもとれずに前と後ろ、四本の腕に責められる。
「あ、ぁ……んっ」
「森山先輩の声、すごい響いてる」
後ろにいる黄瀬がくすりと笑う。
「っ、ん、……ぅ、っ」
「声抑えても無駄なんだから出せ、聞かせろ」
唇を噛み締める俺の胸を笠松の指が這う。
「、この、ゃ……あ!」
「ふふ、先輩可愛い」
「ひ、あっ……!」
急に下半身に重い快楽が襲って、ビクンと足が跳ねる。
自身を握られているのは分かるけど、ゆらゆら白く濁った浴槽の中じゃどう動いてるか予測できなくて、急にくる感覚にひっきりなしに喘ぐ。
「やめ、んぁ……き、せ、ぁ」
「おい、俺も忘れんな」
「ふぁ、っ、かさ、ま、ぃや」
笠松の指がぎゅうっと乳首を抓って、引っ掻いてくる。
抵抗したくてももうとっくに身体に力なんか入らなくて、なすがまま。
どうしよう、熱くて、気持ち良くて、視界が滲む。
「ぁ、……ふ」
「森山さん、逆上せちゃったッスか?」
「黄瀬、湯船から出すぞ」
くたくたになった身体を支えられて、洗い場に座らされる。
冷たいタイルに感覚が戻り、頭が醒めてくる。
大丈夫かと笠松が聞いてきたらか、大丈夫ってへらっと笑った。
そうしたら黄瀬が口付けてきて、また身体が火照る。
そのまま押し倒されて、笠松が俺の頭を撫でる。
「続きするぞ」
「いいッスか?」
「っ、も、好きに、しろ」
投げ遣りにそう言うと二人がふわりと笑う。
ああくそ、狡い。
「それじゃあ、ちょっと失礼して」
「な、あ!」
黄瀬が無遠慮に足を開いて割り込んできたので、思わず閉じようと力を入れる。
「力抜けバカ」
「バカはどっちだよ、ぁう!」
笠松が煩いとでも言うように晒されている入口をぐにぐにと揉まれる。
「黄瀬、ちょいボディーソープ垂らせ」
「ウィッス」
「ひ、ゃ、つめた、いぅ!」
指が入り込んでくる感覚に震える。どんどん暴かれて、増やされて、嬌声を止められない俺は黄瀬は嘲笑うかのように鎖骨に跡をつけた。
「あっ……ふあっ、は、ひゃ、う、」
「もう挿れるぞ」
「ちょっと、今日は俺が先がいいッス」
「あ?あー、分かった。先にしろよ」
「やった」
嬉々と俺の前を陣取った黄瀬が、俺の足を持ち上げる。
「良い声で鳴いて下さいね?」
黄瀬は飛び切りのイヤらしい笑顔でそう笑うと、俺の中へ入り込んできた。
「ひぁっ、ん、ぁ、っあ……っ、」
「黄瀬の思い通りにさせるかよ。こっち向け森山」
「ん、ふ」
「あーもー笠松さんキスしちゃ駄目ッスよぉ」
そう言う間にも激しく揺さぶられて、唇を塞がれた俺は息もまともに出来ない。
「んん、ゃ……ん、っ……ふ、ぅ」
「っは、気絶すんなよ?俺の番がまだだかんな」
「俺も、満足してない、ッスよ」
きっと今日はこのまま人の静止も聞かずに散々好きに犯されて、明日はベットとお友達コースだ。
畜生覚えてろ、明日はこき使ってやる。
吐き出した精が排水溝へ飲まれていくのを見て、俺はゆっくり瞳を閉じた。

好きに溺れて
(二人分の波に飲まれる)



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