note



2014/03/15



R18注意




ふわふわとした、柔らかな気分だ。
ずっとこうしていたいのに、身体を揺すられる感覚に安らぎを剥ぎ取るようにして意識が浮上していく。
「んむ……?」
「おはようございます、森山先輩!」
「よう、夢見はどうだった?」
目の前に、笠松と黄瀬がいる。
夢?夢を見るどころか爆睡で、てか今何時だ?
寝てからそんな時間が立ってないように思えるが。
確か、今日は二人に内緒で合コンへ行って、その合コンの女の子たちがこれまた可愛くて、調子乗って呑んだくれて、へべれけで帰って来てそのままベットに……って、あれ?
身体の熱がサッと冷えていくのを感じた。
恐る恐る二人を見れば、目が笑っていない。
「酷いじゃないッスか。俺らに内緒で合コンだなんて」
「しかもこんなに酔って帰ってきやがって。いい加減にしろよ」
そう言いながら俺の前に黄瀬が、後ろに笠松が座る。
ちょ、待て、どうしたこれ。
「最近のお前はちょっと我侭が過ぎるぞ」
「だから、今日はお仕置きッスね」
そう笑う二人にああ明日の朝日は拝めないかもしれない、なんて青ざめた顔で考えていた。


「ぁ、ひ、んっ」
「先輩、イくの早すぎ」
俺の吐き出したものを飲み込んで満足そうな顔の黄瀬はそういえばご無沙汰でしたもんねと、きらきらとした、でも欲に塗れた瞳を向ける。
その間も笠松は胸の突起を弄るのをやめてくれなくて、勝手に身体は震える。
「っ、ぅあ」
「ちょっと苦しいッスかね、すみません」
「おい、森山傷付けたらタダじゃおかねぇぞ」
「大丈夫ッスよ、それは俺も嫌なんで」
「っん、」
中に無遠慮に押し入ってくる指は何度行為を繰り返しても慣れない。
異物感に吐き気がしてぎゅうと目を瞑って耐えていると、急に自身を握られて身体が跳ねる。
「あ、!」
「こうした方が気が紛れるだろ?」
中で暴れる指は気持ち悪いのに、笠松が芯を上下に擦って、先端をぐりぐりと苛められて、俺はもう気が紛れるどころか狂ってしまいそうだ。
「ぁ、あっ、かさま、ひ、」
「んー、ここかな」
「っ、やぁあ!ゃ、きせ、やだ、そこ」
「やっと見つけた」
ある一箇所を指が掠めた途端、怖いくらいの快感が身体を巡った。
黄瀬が舌舐めずりをして、そこばかりを責め立てる。
「ん、ひぃ、あ、」
「あー、くそ、可愛いな」
「んぐ、」
「あ!笠松先輩いいなー」
無理矢理後ろを向かされて口付けられる。
唇を啄み舌を吸われて、それだけで苦しいのにひっきりなしな快感に息も出来なくて、酸欠で死にそう。
「ん、っ、ぁ」
「っと、すまん。息出来てなかったか」
「もう、笠松先輩も優しくしなきゃ駄目ッスよー」
「うるせぇ」
ずるん、と黄瀬の指が出て行って、後ろが寂しそうにひくひくと蠢くのが分かって羞恥心で顔が赤くなる。
「っぁ、やだ」
「大丈夫だって、すぐにくれてやるよ」
「笠松先輩が最初ッスか?」
「悪いな、我慢出来そうにねぇや」
そう言うや否や笠松が侵入してきて、思わず悲鳴が溢れる。
「っぁああ!」
「おい、力抜け、キツい」
「あ、なら俺がまた咥えてあげるッスよ」
「やだ、ぁ、あ!」
そんなことされたら散々気持ち良くされた俺は耐えれるはずなくて、早々に精を吐き出す。
なのに笠松は動き始めて、電流にも似た快楽に身体が麻痺する。
「やぁあ、だ、め、イッて、イッてるか、ら、ぁあ、っひ、」
「つーか何勝手にイッてんだよ」
「一人だけ気持ち良くなるなんて狡いッスよ」
「ふあ、んぅ、ああっだめ、ぃあ、あ」
嫌だ、ねぇ、俺の言葉も聞けよ。
こうなったのは俺が全部悪いんだって分かるけど。
なんだよ、犯すだけで満足かお前らは。
なら俺じゃなくても。
そう考えるだけで嫌なのに。
何時の間にか生理的なものとは違った涙が出てきて、思わず嗚咽も漏れる。
それはとても小さくて、喘いでるようにしか聞こえないはずなのに、二人は動きを止めた。
「森山、どうした。痛かったか?」
「す、すみません!辛かったッスか?」
ぼうっと二人を見上げれば、どちらの顔にも心配そうな表情が貼り付けられている。
大丈夫じゃないのに、大丈夫かなんて何度も聞いてきて、俺へと伸ばされる大きな、労わるような手のひらに、ああもう、絆されてしまう。
「キス、しろ」
「は、」
「森山?」
「いいから。それで、いい」
今日は、それで許してやろう。
覗き込む二人の顔が、あんまりにも可愛いから。
二人に交互に塞がれた口はやっぱり苦しいけど、さっきとは比べ物にならないほど優しい気がした。
「ああ、あっ、ぁ、」
「は、森山、気持ち良いか?」
「っ、うん、きもち、い、」
「なら、良かったッス」
笠松がイイところばかり突いてきて、黄瀬が胸や首筋に痕を付けて、長い指で俺のをなぞられたらたまらなくて、俺は三度目の絶頂を迎えるのはすぐだった。
けど、今度は笠松と一緒だから、嬉しかった。
中に注ぎ込まれてたのは不満なのだけれど。
「っぁ、はぁ……ぁ」
「森山先輩、ちょっとトんじゃってて可愛い」
もう限界なのに、黄瀬が嬉々と腰を掴んで反り勃ったそれを押し込もうとする。
「も、もうやめ、たい、ひぁ、や、きせ、かさまつ、ぅ」
「まだ俺の番があるッスよ」
「普段は我侭聞いてやってんだから、今日くらいは俺らに好き勝手させろ」
わかってる、けど限度ってもんがあるだろうが!
そんな意見も声にはならず、笠松の指が俺の髪を撫でるその感触にすら小さく呻いたら、二人は顔を見合わせて意地の悪そうな笑みを浮かべた。
狡い、こんなのは狡い。
気持ち良くて、壊れそうで、嬉しくて。
こんな、こんな気持ち、知らない。

そして夜は明けない
(こんなのが愛だなんて、幸せ、だなんて)



「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -