本当は痛くてたまらない

明日から入院することになった。
肺に穴が開いているんだって、


安静にしていれば、大丈夫らしいけど
元から体の弱い僕は、すぐに危ない状態になるらしい。



バスケができなくなる。



それが何より辛かった。




みんなに迷惑かけるのも、もう嫌だ

手にしている封筒には退部届と書いてある

部活が始まる前に征十郎を呼んだ。





「大丈夫か鴇?」

「う、ん…それがね、もうバスケできないんだ。」

「は…?」

「…病気、で、さ…細かいことはよくわかんないけど、明日から入院なんだって」

「おい、」

「で、これ」


征十郎に押し付けるように渡す封筒


「鴇っ…!」

「元気になって戻ってくるからっ!」

「しかし!」

「もう、みんなに迷惑かけたくないよ…」

「………」


僕は笑えているだろうか、
きっとみんな心配してくれている

少しでも心配させないように笑顔を作る


「ありがとう、大丈夫、また来るから」


征十郎に背を向け歩きだす


まだ、まだ駄目だ。
まだ泣いちゃ駄目だ、まだ、まだ、まだ…


征十郎が見えなくなってから、嗚咽を漏らす


本当は、辞めたくなかったよ
多分、もうここへは帰ってこれないけど…




[back] [next#]

[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -