05
…懐かしいな、対して時間は経ってないはずなのに
初めてアイツと会ったのは、まるでとても昔のようだった。
辺りを見回してもアイツらしい影は無い
……ここにもいないか、
あいつがいそうな場所は一通り探したが、まだ見つからない。
……ったく、どこ行きやがったんだ…。
一端アジトへ戻ろうとしたとき、後ろから何かが飛びついて来た
驚いて振り向けば、ギュッと俺の服をつかんでるアイツ
よかった、と思った。
目がうるうるしていて、今にも泣きそうな顔をしている。
こんな顔初めてだ、どうしたらいいんだ…
とりあえず、頭を撫でることにした。
服をつかんでいる手には何かが握られていた
「……ビー玉…?」
コクリと頷くアイツ
そんなに大切にしてたのかソレ。
…コイツは世界の汚れた部分を知らないんだな
だから、どこまでも純粋で美しい。
その目に映る世界は全て新鮮なものなのだろう…
……俺も変わったな、こんなこと思うなんて。
いつまでも泣き顔のアイツに手を差し出す
「ほら、帰るぞ。」
すると嬉しそうに手を握ってきた。
俺はコイツの事が案外かわいいと思ってるのかもしれない。
よし、アジトに戻ったらデイダラシメよう。
END.
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