02

それは、
新しい感情で

それは、
ペットを飼い始めた子供のような気分で。



無理矢理連れて帰って来た子供

無理矢理と言っても、何一つ抵抗もしなかった。


別にそれがどうしたという事でもないが…



そいつを部屋に入れてしばらく様子見をしてみたが

始めはおどおどして周りを見ていたが、慣れたのか部屋の隅で座っている。


俺が近づくとビクッと顔をあげる
話しかけても目を丸くしているだけで喋らない。




そんな様子のまま数週間が過ぎた


食べ物はパンとかを適当にやれば少しは食べる。
慣れたのか部屋の中をうろうろするようになったが、基本的にいつも部屋の隅で座っている。

なんとなく俺の言葉が理解できるようになったのか、うなづいたりはするようになった


……小動物を飼っているような気分だ。


いつもの俺ならめんどくさいと思うが、何故かコイツはそんな風に思わない
…不思議な感覚だ。








ある日のこと

任務が終わり、部屋に戻る
相変わらず定位置に座っているアイツ

俺が部屋に入ってくると、透き通った青い目でこちらを見る

ここまではいつも通りの事。


初めてアイツが自分でこっちに近寄って来て、俺の服の裾を引っ張る


少し驚いた。


「…何だ?」


話しかければ、そのまま裾を引っ張って歩き始める

棚の横にしゃがみこちらを見てくる。


「……何かあんのか?」


『ある』と言っているような目


棚と壁の隙間にビー玉のようなものが挟まっていた



そのビー玉をじっと見つめている。

………欲しいのか?


ビー玉を拾う

こんなのいつ使ったっけな…


「ほら、やるよ」


別に使わないし


それを渡すと初めて嬉しそうな顔をした
ほんの少しだけ、誰も気がつかないくらいの変化だったが



それからアイツは俺の横に来ては座るようになった。


……少し懐いた…?


そんな気がした。








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