09


「遅かったねぇ〜!待ってたよ!」

「何で天さん勝手に家入ってるんですか?」

「まぁ、いいじゃん!」


よくねぇ…!
不法侵入とか逮捕されるぞ



「ま、上がってよ!」

「天さんの家じゃないんですけど!」



くだらない突っ込みを入れながら椅子に座る



「で、どうしたんですか?」

「いや、イチが元気にしてるか気になって!」

「それだけ?」

「うん!あ、あとね、イチに言い忘れたことがあってね!」


……?


「君には血継限界があって、まぁ、発動すると対象となる相手の術を盗めるんだ。あ、その時目が紅くなるよ!」

「………チートですね」

「チートだね!名前とかイチが決めてくれていいよ」

「決めてくれていいって…天さんが勝手に作っちゃったみたいな言い方…」

「作っちゃった☆」



おいおいおい…
本当に何でもしちゃうって…

でも、何で天さんはこんなに俺によくしてくれるんだ…?
ただ祠直しただけなのに


「君は優しすぎるんだよ」

「…え…?」

「自分に厳しく、人に優しくって感じじゃん?この世界は人にやさしくっていう部分が欠けているというか、優しい人もいるんだけど、世界的にみると、自分に甘い人が多いんだよね。だから、君をこちらにいさせることで、欠けた部分を補おうと思ったの。」

「………。」


俺なんかで補えるのか…?
世界的に考えたら補えないだろ、絶対


「君は人を変える力があるんだよ。そんな子が若くして死んじゃったんだよ。もう利用するしかないでしょ!」

「最後は聞きたくなかったけど、わかりました。」

「君の判断でいくらでも世界を変えられる。僕もある意味賭けをしてるんだよ。君がこの世界のバランスをよくするか、方向を間違えて暴走するか、ってね。もちろん前者に賭けているだけどね。僕は君のこと好きだから」

「ひどいなぁ。」


どんだけ人を利用してんだ
ま、信用されているって思っていいのかな。


「まぁ、頑張りますね。で、血継限界の名前何にしましょっか?」

「そうだったね!うーん…思いつかないや。ごめん!」

「あきらめ早っ…そうだな、盗紅眼(とうくがん)…?」

「じゃそれで決定!」

「うわっ、てきとーに言ったのにいいの!?それでっ!」

「思いつかないしそれで決定でいいでしょ!」



うん…本当、天さんてきとうすぎるよ…。






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