サドデレ邑輝の場合
 



「むーらーきーさん!!」

「……」

「ひいぃぃい。なぜ睨んでこっちを見る!?」


今日は私達が初めて会った日から一年だ。
邑輝さんは身寄りがない私を拾ってくれた大切な人。
もう邑輝さんの性格や私に対する態度も分かってきたので砕けた話し方になってしまったが。

「今日は私達が出会って一年の記念日ですよ!」

「ああ、もう一年経ったのですね。」

遠い目をしながら邑輝さんは言う。

これまで都筑や黒崎といった人達と対峙していて、私も裏で動いていた。今日はせっかくなので邑輝さんには気分転換をさせてあげたい。

「今日は邑輝さん、私が何でもしますからね!」

「おや、貴女に何でも出来るんですか?」

「……」

スマイルブリザードをかまされた私。
そう、裏で動いてたのだかいつもちょっとのミスで私がやるべきことの大半は失われる。


「だから、今日で挽回しようとですね…!」

「それなら大丈夫です」

「え!?」

ひ、酷い…!

「今日こそ私と貴女は休まなければいけないでしょう」

邑輝さんは真面目な顔でこちらをみる。
それはそうですけどね…何かしようとする気持ちもダメなんでしょうか…

「貴女にしては何でもすると言うのは良い案でした。貴女にしては。」

「そんな悪意のフォロー要らない!!!」

スマイルブリザード再来。


(あーあ。(ぶすっ)
(なに拗ねてるんですか)


――――
これでもデレてるのよ!



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