クーデレ巽の場合
 


「あ、あの先輩…!これってどうしたら…?」

「はい?ああ、これはですね…」


私は先輩に恋しています。
発端は私がまだここに入りたての頃、人見知りな私は誰にも頼ることが出来ずオロオロしていたところを先輩に助けてもらった。
先輩のひたむきな姿とか見ていると心がドキドキする。この気持ちに気づくのはそう遅くはなかった。

(格好いい…)

いつの間にかじーっと先輩を見ていたらしく苦笑混じりに言われた。

「なんですか?」

「え?あぁっ何でもないです!」

「そうですか?」

何度話しても慣れない先輩との会話。
特に先輩から話しかけられた時なんかはとても緊張する。いつもの地声がどこか遠くに行ったみたいになる。みたいじゃなくて行ってしまう。

私は考えるのを止めて仕事に向かった。






夜も遅くなって自分も帰ろうとし、ドアノブを捻ろうとして私が掴む前にドアノブが動いた。

「!!」

声が出なくてびっくりした。ドアの向こうから出てきたのは先輩だった。
「あぁ、貴女ですか。帰るんですか?お疲れ様です。」

「お、お疲れ様です」


私の横を通り過ぎて私は先輩の後ろから慌てて言った。
一番言いたいことだ。


「あ、あの!お仕事頑張って下さい!」

「……はい。」

律儀に振り返って言ってくれた。
ちょっと微笑んでくれた顔が素敵すぎて死にそうになった。


((あまっ))

―――――
うちのキャラ達はわかりにくいデレ仕様です。



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