手紙始まり (甘?/ほのぼの)


※渡狸→カルタ前提






起床して一番にすることは
カーテンを開けること

「んーっ!今日もいい天気」

太陽の光を部屋に取り込んで
大きく伸びをする


二番目にすることは
植木鉢に水をやることと
金魚に餌をやること

昔、誰かに
“意思表示が出来ないモノから順に食事をあげなさい”
と言われたことがある
だから私より先にご飯をあげる

「お、もうじき咲きそうだね」

植木鉢に植わっている花の先に
開きかけている蕾がいくつかあった
明日には綺麗な色の花を
咲かせてくれるだろう


三番目にやることは
コーヒーを淹れること

所謂モーニングコーヒー
というやつだ
インスタントではなく
少々手間をかけて作るコーヒーは
なんとも言えない贅沢感がある

「…うん、美味しい」

今日もなかなかいい味である


そしてコーヒーを飲みながら着替えて、ラウンジへ向かい、そこで朝食をとる

いつもと変わらない
朝の出来事である


部屋を出る前に忘れてはいけないのは施錠と、もうひとつ
ポストの確認だ

「今日はーっと…お!来てる来てる!」

手紙があればラウンジまでそれを持って行き朝食をとりながら読む


「おはよー姫たん」

ラウンジに着けば他の住人が
挨拶をしてくる
勿論、私も挨拶を返す

「おはよー残夏、あれ?皆は?」

「そーたん達は先に学校行ったよ〜。日直なんだって」

「へぇー」

適当な席に朝食を運び
手紙を読みながら食べる

「あらら〜?またお手紙?」

「まぁね」

「誰からー?」

「残夏のご主人様だよ」


そう、手紙の差出人とは
残夏がSSとして働いている主人
渡狸万里、その人である

彼はカルタちゃんを守る
立派な男になりたいらしく
“修行だ!”とか言って
現在は海外に行っている

最初は、SSの残夏が着いていかなくて良かったのか気になったが
どうやら彼等には彼等なりの
考えがあるらしかった

そんな渡狸は手紙で私に
カルタちゃんの様子を
聞いてくるのだ
直接手紙を書けないというところが
何とも可愛らしいのだが
それを言うと怒るので
口には出さない


「ごめんねーうちのラスカルが迷惑かけて」

ちっとも申し訳なさそうに
感じない謝り方だが
これもいつものことだ

「いいえー楽しませてもらってるから構わないよー?」


一通り手紙に目を通して
食事も済ませた
あとは学校で内容を考えて
夜にでも返事を書けばいい

なんて、いつもと同じことを
ぼんやりと考えながら
学校へ行く仕度をしに部屋に戻る


手紙に始まり手紙に終わる

これが私の日常








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