来栖翔
※来栖視点
─じー…
俺の右斜め前方…
さっきから痛いくらいの視線を感じる
─じー…
右斜め前方から
その視線を送っているのは姫だ
─じー…
無言、ひたすら無言
ただ視線だけを送られる
…もしかしてテレパシーか何かか?
いやいやいや、ないない
那月じゃあるまいし
姫はそんなぶっ飛んだことしねぇ、はず…
─じー…
無言、ひたすら無言
どこまでも無言
いつまでも無言
しかし視線はそのまんま
─じー…
だいぶ辛くなってきた俺は
一応聞いてみて
「ど、どうした?」
「…。」
─じー…
返事はなく
やはり無言で見つめられる
「いや、だから…どうしたって…」
「…。」
─じー……
またしても返事はなく
相変わらず視線だけが
容赦なく俺に突き刺さる
─じー…
やっぱ可愛い顔だよな…
って!俺は何を考えてるんだ!
…あぁ、顔が火照ってきた気がする
「見つめてるの」「…は?」
かなり遅れて返ってきた返事
見つめてるって…
それくらいは分かる
何でかが知りたいんだよ!
「見つめてるの。いつ赤くなるかなぁ…って」
─じー…
その言葉を聞いて
顔に血が集まるのを感じた
「ば、ばばばばばバカ野郎!おおおおおお俺様は赤くなったりしねぇっ!!」
「やっと赤くなったか…」
「ききき気のせいだ気のせい!!!」
「翔くん、顔真っ赤だよ?」
「っ俺様をからかうなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
結果:よくわからないけど
理由を教えたら
恥ずかしくなったらしく
急に真っ赤になった
苺みたいで可愛かった
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