来栖翔

※来栖視点





─じー…

俺の右斜め前方…
さっきから痛いくらいの視線を感じる


─じー…

右斜め前方から
その視線を送っているのは姫だ


─じー…


無言、ひたすら無言
ただ視線だけを送られる

…もしかしてテレパシーか何かか?
いやいやいや、ないない
那月じゃあるまいし
姫はそんなぶっ飛んだことしねぇ、はず…


─じー…

無言、ひたすら無言
どこまでも無言
いつまでも無言
しかし視線はそのまんま


─じー…

だいぶ辛くなってきた俺は
一応聞いてみて


「ど、どうした?」

「…。」


─じー…

返事はなく
やはり無言で見つめられる


「いや、だから…どうしたって…」

「…。」


─じー……

またしても返事はなく
相変わらず視線だけが
容赦なく俺に突き刺さる


─じー…

やっぱ可愛い顔だよな…
って!俺は何を考えてるんだ!
…あぁ、顔が火照ってきた気がする


「見つめてるの」「…は?」


かなり遅れて返ってきた返事
見つめてるって…
それくらいは分かる
何でかが知りたいんだよ!


「見つめてるの。いつ赤くなるかなぁ…って」


─じー…

その言葉を聞いて
顔に血が集まるのを感じた


「ば、ばばばばばバカ野郎!おおおおおお俺様は赤くなったりしねぇっ!!」

「やっと赤くなったか…」

「ききき気のせいだ気のせい!!!」

「翔くん、顔真っ赤だよ?」

「っ俺様をからかうなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」



結果:よくわからないけど
   理由を教えたら
   恥ずかしくなったらしく
   急に真っ赤になった
   苺みたいで可愛かった

[ 6/6 ]

[*前へ] [次へ#]
[目次へ]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -