聖川真斗

※聖川視点






─じー…

先程から凄まじい視線を
後頭部に感じる


─じー…

もしや、何者かに狙われているのでは…!?

勢いよく後ろを振り返えれば
そこにいたのは姫だった

「…姫だったか。どうかしたのか?」


─じー…

返事はない
どうしたというのだろうか…
もしや、俺の顔に
何か着いているのか…?

俺はハンカチを取り出し
ゴシゴシと顔を拭いてみた

これでどうだろうか

顔を拭き終え姫を見る


─じー…

しかし、未だに姫は
こちらを見つめていた


─じー…

そういえば
先程は後頭部を凝視していたな
では髪が跳ねているのだろうか

俺は手櫛で髪をすき
整えてみた

今度こそ…

そう思い姫を見る


─じー……

やははり視線は離れない


─じー…


本当にどうしたというのだろうか…

もしや、俺は
自分の気付かぬ内に
姫に対して粗相を…


─じー…

やはりそうか、そうなのか

「…姫、すまなかった。気付かぬ内に粗相をしでかすなど、俺は…」

「…は?」

「しかし、俺も男だ、落とし前はきっちりつける」

「え、いや、あの…」

「ここは切腹して謝罪を!」

「は!?ちょ、待って!」

「姫、止めないでくれ」

「いやいやいやいや!止めないでくれ、じゃなくって!ストップ!ストップ真斗くん!!落ち着いて話せばわかるから!お願いだから今すぐその短刀置いてぇぇぇ!!」



結果:何だか勘違いをしたらしく
   腹を切ると言い出した
   止めるのに必死で
   理由を伝える暇なんて
   全くなかった


[ 2/6 ]

[*前へ] [次へ#]
[目次へ]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -