さようなら文次郎

※グロ注意

下げます

食←文












静かだった。






俺は手錠に繋がれ、




寝床の上にいた。




下方からゆっくりと近付く影がある。





―食満か?





―なんの真似だ





―俺を裸にして





―何をする気だ





俺は声を出そうとするが




それらは闇に紛れて消えた



食満はいつもと変わらない顔で




俺に覆い被さる





―やめろ




―はなせ





食満の光の無い瞳は



感情が見えなくまるで



死んでる様だった





―いやだ




―重い





俺を愛する時、




食満は俺とぶつかり合うように性交する




だがこれは




まるで奴が俺を




支配してる様だった








なんと無く、






食満が俺を殺めようとしているのがわかった。






―なんで…






そしていつから持っていたのか






―ああ






右手の刃物で―






―そうか





俺を突き刺した





ゆっくりと確実な動作だった

弾力のある皮膚を突き

十文字に俺の腹部を破っては―中身を掻き出した

爛々と赤い血や内臓が

吹き出しては布団を染めた
刃で切り抜き手で掻き分け
恍惚とした顔付きで

食満は俺をひたすら探った









―もちろんもし俺がこれを思い起こしているのなら



―俺はこの世に居れる訳がない




静かだった。






俺は例の布団に横たわっていた





隣には子供の様な寝顔の食満が寝息を立てていた。





そっと彼に頬を寄せる





すると暖かさに反応したのか





俺を布団の様に抱き込んだ





汗のにおいがする






笑って怒って喧嘩して

競って避けて喧嘩して

裸になって 喧嘩して





俺たちはこれ以上





何を探り合おうと
しているんだろう





知り尽くした筈なのに





何かが違う度に





焦って解ろうと手を出す







―わかってるんだ




―お互いが許せないんだ




―怖いんだ




―だから喧嘩すると




―いつも性交ではぐらかす



―いいんだ




―それでも




―限り無く闇に近くても




―きっと




―これは




―夢だから






。.:*・゜・*:.。..。.:*・゜・*:.。..。.:*・゜・*:.。..。.:*
9/27(Mon)21:17
殺される文次郎
それを肯定する文次郎
夢だからって目を瞑り
食満だからって許しちゃう
愛の歪んだ形
さようなら

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