「ギャルソンさんこんにちは」


 


 


 またきちゃいました。そう笑う彼女の顔は明るい。好き好んで此処に来るお客さんなんて言うのはきっと彼女くらいだろう。私の青白い顔を気味悪がらずに本気で心配して微笑みかけてくれるのも、きっと彼女だけだろう。「ここの料理おいしいから」なんて言う彼女の顔はきらきら輝いている。そんな彼女を私はなんだか愛おしく思う。これが恋なのか愛なのかただのライクなのかはよく理解らないが私が彼女に惹かれているのはもっとも確かな事である。彼女が笑うとなんだか自分も嬉しくなって彼女が泣けばなんだか自分も悲しくなる。それを猫に言ったら「ギャルソンさん、ロリコンですね」と吐き捨てられた。私のどこがロリコンだというんだか。この思いをそんな低俗なものと一緒にされては困るんですが。そう言う私にまた猫が悪態をついて来たのは言うまでもない。なんだかむかついたのでぶくぶく音を立てている熱々のスープを口に流し込んでやったら口を押さえながら泣いて跳んでいったので少し悪い気がしてまあ良しとした。


 


 


「ギャルソンさん?」


「あ」


「どうしたんですか?ボーっとしちゃって・・・具合でも悪いんですか?」


「いえ、ちょっと生意気な猫の事を思い出していて」


 


 


 彼女はよく理解らないといった調子で頭を軽く傾ける。(嗚呼、なんて可愛らしいんだろうか!)そんな彼女に私は「そんなことより」と話を戻した。「今日はどのような料理にいたしますか?」そう聞く私に彼女は「とびっきりのをください」と微笑んだ。かしこまりました。その8文字が静かなレストランにゆっくり響いた。


 


 


 


 


 


 


20101223
きもちわるいギャルソンさん
なにげみんな仲良しでもえます





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