「男は嘘をつくとき目を反らすけど女は目を反らさずじいっと見つめるらしいよ、りんごちゃん」

「ほう、興味深いですねまぐろくん!」



そういうりんごちゃんの視線は「きっと女性はそのぶん賢いのだろう」というぼくの厚い前髪を通り越して右目と左目にダイレクトに突き刺さった。りんごちゃんはとにかくストイックであった。彼女は嘘をつかないときでもこうやってぼくの両目を掴んで離さないのだ。


「でもさ」
「はい」
「りんごちゃんは嘘つくとき、絶対目を見れないよね★」



そう笑い彼女は少し頬を膨らますと「まぐろくん」といつもよりちょっぴり低い声で僕の名前を呼ぶ。
ここで余談だが、ぼくは彼女の"ま"から"ぐ"にかわる時の唇が好きだ。そして"つき出した唇がすこし引っ込むとろ"にかわり、"くん"でその愛らしい唇を紡ぐ。名前を呼ばれることがこんなに愛おしいことだったなんてぼくは彼女に出会い初めて知った。


「まぐろくん、それはつまり、わたしは賢くないと」


眉をひそめながらそう言うりんごちゃんはやたらと可愛らしくてぼくは思わず吹き出した。そこでりんごちゃんの眉間のしわがよりいっそう深くなったのはおいといて、そうだな、そのあと僕の発言でりんごちゃんが顔を真っ赤にした話でもゆっくり紅茶でも飲みながら話そうか!





「素直でかわいいって意味なんだけど、ね?★」

20121102



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