あのさあ。狩屋くんの声が静かに響く。ぼくはその水色の硬い髪の毛を指でとかしながらなあに、呼びかけに答えると狩屋くんがつまらなそうに携帯をいじっていた指で僕の両頬をぺちん、叩いた。けして痛くない、そしてそのまま狩屋くんはぼくの顔を引き寄せた。
「輝くんさ、そんなことしてたのしい?」 「え?そんなことって?」 「いや・・・・かれこれ20分くらい俺の髪の毛弄ってるじゃん」
そりゃあ、狩屋くんのいいかおりのするサラサラの髪をさわるのは好きだ。でも、たのしくない。だって狩屋くんの視線は携帯に釘付けなのである。だからといってメールなんか放っておいて一緒に遊ぼうとか、キスしようとか、そういったことを言えないぼくはこうやって狩屋くんの座椅子になってきみを感じながらその視線がこちらに向けられることをじいっと待っているしかないのだ。
「大体さあ、この体勢で襲わないとか、おとこなの?」 「えっ、えっ、」 「さっきからずうっと当たってるんだけど、輝くん」 「えっ!!!??」
狩屋くんは意地悪くにやり、笑いながら僕のズボンに手をかけた。ああ、狩屋くんは知っててずっと携帯弄ってたの?ぼくは時々狩屋くんの行動に戸惑う時がある。するする手を忍ばせてくる狩屋くんに「あ、」ぼくはつい声を漏らす。狩屋くんの顔がどんどん明るくなるのをみてぼくはおもいきり彼を押し倒した。
ひつじさんがおおかみさん
(ぎゃーーーー!!輝くんなに、なに!?) (狩屋くんが誘ったんでしょ!) (先に勃ったのはひかるくんじゃん!)
20121004
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