「好きだ」
「寝言は寝てから言え」





俺の一世一代の勇気を振り絞った愛の告白は無残にもこの鈍感野郎の前に砕け散った。
好きだった。愛していた。本気だった。
でもいつもの俺の行いの悪さゆえか神様とやらがとんだサディストなのかは知らないが、俺の何年もの一途(自分で言うのもあれだが)な片思いは未だに続いている。

いや、むしろ恋をした相手が悪かった。
そいつは超鈍感でしっかりしてるのか抜けてるのか分かんないっていうか超ド級の天然で、直ぐに人を信じて、疑う事を知らない。
挙げ句あんなに分かりやすい(むしろ直球な)俺のアプローチに気付かないままあいつは他の男と仕事を組み、いつの間にか結婚して妻子持ちにまでなりやがった。



いやいくら鈍感でもさ、普通ここまでダイレクトだったら気付くよな?いくら俺が馬鹿でもさ、十何年も言い続けるか?普通。
あー、うん。いい加減にさぁ…





さっさと俺の愛に気付いてよ!






(そして俺はまた今日もどこかの鈍感さんの為に幾度も幾度も俺は勇気を振り絞り、やっぱりやつの手で砕け散らされるのでした。)






20120316




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