「なあ、キスしたらその相手と結婚しなきゃいけないんだぜ?」





笑いながらさっきまで触れていた唇を離すと立向居は顔を真っ赤にして「ふえ?」と情けない声をあげた(おれはたまらずかわいさにぎゅっと立向居にだきついた!)無論、いま言った事なんて冗談に決まってるしキスだって軽い気持ちだ。第一この日本という頭の固い国で男同士での結婚なんてふざけてると思う。それなのに立向居は(えーっと、えーっと)とどもりながらそのつむじをおれに見せた。




「あー、立向居?」

「……綱海さ…えーっと…」

「…(まさか本気にしてる、とか)」

「…綱海さん!!!!」

「え。あ、ちょ、たちむかい?」




ぎゅう、立向居が俺の手をにぎりしめる(いたた、力入れすぎだって!)それはまるで昨日ドラマのラストでうとうとしながらみた主人公とヒロインのやりとり(たしか年下の内気な主人公が年上で明るい先輩にこいをする、よくある学園ドラマだった)みたいだなあと頭の片隅で思った。え、あ、変な予感がする。俺の予感がただしければ、これは。





「おれ、ぜったいぜったい綱海さんを幸せにしてみせます!!!」



(ほら!!やっぱり)





ぎゅ、立向居が思い切り俺の腰にだきついた。突然のことにバランスを崩して倒れるおれを軽々と立向居は支えた。(さすが、だてにゴールキーパじゃない)「大丈夫ですか?」と立向居は優しく微笑んだ。おれはなんて素直で冗談の通じない後輩をもってしまったんだろうか!!こんなにも自分のことを馬鹿だとおもった瞬間はない。おれは頭の片隅で(どう弁解しようか)と思いながら「ああ」と呟く。すると立向居は最高にきらきらしながら「おれ、綱海さんのためにいっぱいいっぱい頑張りますから!!」とはにかむ。おれはそんな立向居に圧倒されながらも(勘違いから始まるこいもわるくないかもしれない)と頬をかいた。












20100307
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立向居に「あなたを絶対幸せにします」って言われ隊言わせ隊





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