ちょうど女はもういいな、と思っていた頃だった。俺は良い学校にいくために日々勉強を重ねていた。サッカーだって、成績のためとはいえど好きだし頑張れた。なのに皆が皆口を揃えて言う。『南沢くんって私のこと好きじゃないでしょ』と。
正直迷惑だった。中学生の恋愛なんてなんとなくの塊じゃないか。本当に結婚するわけでもないのに、何で俺が悪いみたいになってるんだよ、と。正直飽き飽きしていた。
そんなときにこいつが俺に向かって「好きです」だなんて言うものだから俺は軽い気持ちで「付き合うか」と笑いかけた。


俺がこいつと付き合おうと思ったのは、ただ単に暇だったからだ。つまりは暇潰し。残された中学生である少ない時間を埋めるだけの材料にしかすぎない。ただ喋って遊んで、時間があったらセックスしての繰り返し。でもこいつは、倉間は今までの女と違ってそれが解っていたからずっと楽だった。
俺が嫌がるような独占するようなことはけして言わないし何より俺に理想を求めたりイメージを押し付けたりしなかった。だから、倉間はさほど俺を好きなのだと思った。


でもそれはそれでムカつくものだ。お前は俺が好きなんだろう?じゃあもっと俺が必要だって、好きだって言えよ。寂しくさせないのが恋人だろ。なあ、なんとかいえよ、倉間!そういう俺にお前は何食わぬ顔で軽くキスをしこう言った。





「南沢さんって俺のこと好きですよね」





そうか、これが恋か

(寂しかったんスか?)(はぁっ!?違ーよ!!)(いや、アンタ自分で寂しいっていったじゃん)



20120315
南沢先輩は自分が忙しい時は恋人をぞんざいに扱う割りに自分が構ってもらえないと寂しいタイプだと思います。




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