ねえあなた!しんのすけにすきなひとができたんですって。しかも、いつもみたいに軽い気持ちじゃなくて、本気なんですって!そんなの、ななこおねえさん以来じゃない?と母ちゃん。そうかそうか!そりゃあよほどかわいくて別嬪さんなんだろうなあ!と父ちゃん。ばっかみたい。冷たく言い放つのはひまわりだ。ひまわりは口を尖がらしなら不機嫌そうに頬杖をついた。オラはそんなひまわりの唇を2本の指で押し付けた。あ、不細工。そんなひまわりを横目に父ちゃんは暢気に笑いながらこう言った。




「で、誰が好きなんだよ」
「え」




 それを拍子に母ちゃんの目がきらきらと光った。ひまわりは面白く無さそうな反面、興味津々であるように見えた。今にも飛びついてきそうな気迫にオラは少し後ずさる。右にひまわり左に父ちゃん、前方にケツでか星人もとい母ちゃん。逃げ場はない。



「あいちゃん?ネネちゃん?それともクラスの子?」
「そうよおにいちゃん!誰なの!?」
「年下?年上?可愛い?」
「お願いだから主婦とかはやめてよね」
「わたしが良いって言った子じゃないと認めないからね!」







 「結局だれが好きなの!」3人の声がハモった。楽しそうな父ちゃんのテナーに甲高い母ちゃんのソプラノ、いつもよりオクターブの低いひまわりのアルト。なんだこのシンクロ率!オラはどちらかと言えば目立っていたい中心でいたいタイプだがどうもこのように注目されると気恥ずかしいというものだ。穴があったら入りたいむしろ穴を掘り進めてこの家族のいない地球の裏側まで逃げてしまいたい。人の噂も75日。野原家はせいぜい34日。オラは1ヶ月とちょい、必死に我慢しようと思った。












20101219
好きな人はご想像にお任せ
仲良し野原家





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