わたしのお兄ちゃん 1年C組野原ひまわり。わたしのお兄ちゃんは・・・。わたしはそこでぴたりと可愛いストラップがついたピンク色のシャーペンを置いた。別にそこまでピンク大好きじゃないけど、お兄ちゃんが12歳のバースデープレゼントにくれた物だから、わたしはまあまあ大切に使っている。ぐいい、学習机に乗っているぬいぐるみたちに視線を配る。あっちはこの前のクリスマスプレゼント、これは初めてバイト代が入った時に買ってくれたやつ。どれもピンクでキラキラとスパンコールが安っぽく光っている。しかも、ちょっと不細工。だけれどこれは3500円と、中高生には少しばかり贅沢だ。(ひま、キラキラしてるやつ好きだろ)と笑うお兄ちゃんに「同じ値段ならあっちのシルバーリングのほうがいい」なんて言えなかった。手渡されたぬいぐるみをじいっと見つめる。なるほど、顔は不細工だけど愛嬌があるじゃない。「ありがと」と微笑むわたしにお兄ちゃんはキラキラしながら「おう」と頭を撫でた。なによりキラキラしたものが大好きなわたしは、兄ちゃんにわたしはちょっぴり
くらりとする。






「お兄ちゃん」

「んー?」

「お兄ちゃんは、わたしのものだから」

「ん?ああ、オラはずっとひまものだぞ」





リビングでごろごろしてるお兄ちゃんに呼び掛けるといつもどおりの答えがかえってくる。少しチャラチャラとした見かけとは正反対の昔と変わらない喋り方。女の子にモテないからって止めたけど、家ではたまに出る。性格もあまり変わっていない。いまでもトイレに入って遅刻しそうになるし、お姉さんナンパするし。そうだなぁ、変わったことは、自転車の後ろにはお兄ちゃんじゃなくてわたしがいて、お兄ちゃんが必死にあの坂を立ち漕ぎしてるくらいだ。「母ちゃんの苦労がやっとわかったきがする」とお兄ちゃんは苦笑いした。











20100405





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