※しん様が悩めるティーンエージャー

















たった一言『ごめん』と言えば良いのに俺は12年前からまったく進めないでいる。何時からだろうか、その大きく真っ直ぐな目でじいっと見つめて来る彼女を見ると渇いた笑いしか出なくなった。それならいっそ嫌われようと約束をすっぽかしてみたり無理矢理キスしてみたり押し倒してみたり犯してみたりした。それなのに彼女は声を上げる様子もなくいかにも『お嬢さま』といった顔付きで、不安気ながらも、どこか凛としていた。



それでも彼女はやっぱり真っ直ぐな目で俺を見つめて『しん様、』と呼んで微笑んでくれる。それが嬉しくて嬉しくて、俺はなぜだか涙が流れた。その涙を白い指で拭った君の瞳も、うっすら涙で歪んでいた。







涙できみがみえない
(そうだ、君は僕を何年間も愛してくれていたのに)
(そうか、これが愛なんだ)













20100215




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