タロさ!!タロさ!!頭1つぶんは下で聞こえる声に振り向くと鉄謙がニコニコしながらで画用紙を広げていた。そこにはやたらと下手くそな絵が描いてあった。俺が「なんだよ、これ」と聞くと鉄謙は自信満々な顔でふんぞり返る。



「タロささ!!」
「……………」


いや、どちらかと言えば俺ってよりはバケモノ系だよな、これ。俺は紙の上の意味不明な線を睨み付けた。


「美和さと一緒に描いたんよ!!あのね、美和さは俺のこと描いてくれちょった!」


笑顔で見せるもう一枚の紙にはやたらと上手い鉄謙が描かれていた。鉄謙の、この恥ずかしい絵を恥ずかしげもなくおっぴろげる子供らしさは良いと思うが、歳を考えるともう少し大人になっても良いのではとも思う。だけれど、これが鉄謙の良いところでもあるので俺は何も言わない。俺はただ鉄謙の頭を軽く撫でた。




純粋すぎるお前のお陰で、俺の心労は絶えない。





20120322
鉄タロを書こうと思ったのに気がついたらタロ鉄っぽくなるマジック
私の中で彼らはお花組




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