『ねぇ、遊園地行きたい』

「「「は?」」」

マネージャーである名前が唐突に言い出した。

それに忍足と宍戸と日吉は「なにを言っているんだこいつは」といった目をしている。

「あのなー…今全国大会目指して練習しとる一番大切な時期やで?」

「いいじゃん遊園地!!!行こうぜ!!」

「おい岳人…自分まで言うんかい」

『ほら、岳人も言ってるしみんなで行こうよ!!!』

「はぁ…跡部に言うてみ?絶対反対されると思うけど跡部がいいっていうんならええで」

『じゃあ聞いてくる!!!』

うれしそうに名前は返事をし跡部がいる生徒会室へ走っていった。

「ちょい待っ…」

それを忍足が追いかける。




『…ってわけなんだけどさ!!』

「いいんじゃねぇのか?ちょうど今週末offだしな」

『よっしゃー!!!』

「はぁ…」

それはそれは広い生徒会室のなかに小さな忍足のため息が漏れた。

「ほんまになんなんやあいつら…変なとこで意気投合しよって…」
――日曜日

「なんで全員参加なんや…俺は寝ていたいんやけど…」

「まぁまぁ、そういわずに。楽しみましょうよ!!」

いつもの如く犬のように明るい笑顔の鳳にノリノリの150cm代組…宍戸に至っては一応いやな顔をしているが内心絶対うれしそうにしとるし…もうダメや…俺の味方はだれもおらん、忍足はそう思った。

「一応大会前なんですし、くれぐれも不祥事を起こさないで下さいよ。特に苗字さんと向日さん。」

「なんで俺らなんだよ!!」

『そうだそうだ!!!少なからずうちは岳人より大人だぞ!!』

「はぁ…精神年齢は俺の方が上ですよ…」

『うるさいなー日吉は。言われなくともちゃんとするから。』

「頼みますよ…ほんと」

「よし、じゃあ全員そろったな。今日は怪我しない程度にはしゃいでも構わないが…おい岳人!!!苗字!!!俺の話をきけ!!」

「『はーい』」

「まぁ、日吉の言うとおり不祥事なんか起こすなよ。それとなにかあったら俺のケータイに連絡しろ。あとなるべく二人以上で行動しろよ。」

「「「「『はーい』」」」」

「じゃあ好きに行動していいぞ。」

「うえーい!!!!」

ジローと岳人は元気よく走り出した。

「はぁ…」

一方忍足はまるで子守に疲れた表情をしていた。

『よし!!侑士!跡部!あれ乗るぞ!!』

名前は一回転するジェットコースターを指差した。

「え?あ、ちょっ…」

「俺は行かねぇって!!」

『へぇ…跡部怖いんだ?』

名前の一言に跡部の片眉が上がる。

「ほぅ…やってやろうじゃねぇか…」

「ちょ…ちょっと、跡部?」

「行くぞ忍足!!!」

跡部は忍足の腕を強く引っ張りずんずん進んでいく。

「はぁ…」

またもや忍足のため息が漏れた。

名前の挑発に乗り、ジェットコースターに乗り込んでしまった跡部は余裕の表情だったが言い出しっぺの名前は正直後悔していた。

『降りたい…まじ怖い…』

そう、コースの最高点にいてこのあとは例の一回転だ。

「ほぅ…さっきまでの威勢のよさはどこ行ったんだ、あーん?」

『前言撤回!!!ぜっ…全然怖くなんかないし?うん。ビビってんの忍足だけだからね』

「え?」

『だーかーらービビってんのはおs…いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

落ちた。

『無理無理無理無理無理怖い怖い怖い怖い』

「お前が一番怖いわ!!!」

山場をのりきった彼らは曲がりくねったコースを抜けた後やっとの思いで終着点についた。

『あー楽しかった!!!』

「お前一番ビビってたやんか」

『え?なんのこと?w』

「そういえば跡部はどないしてん?」

『あー…あそこ』

名前が指差した先にベンチに座ってうなだれている跡部がいた。

「もう二度と乗らねぇ…」

『じゃあ跡部、コーヒーカップに乗ろうよ。あれならスピードもでないし…』

「忍足と行ってこい…」

「行ってあげたいのは山々やけど俺、あーゆーの酔ってダメなんよ」

「ちっ…しゃーねーな」

そういってしぶしぶ跡部は腰を上げた。

「俺は疲れた…もうお前が回せ」

『えー。』

「お前が乗りたいって言ったんだろうが。なんなら一人にしてもいいんだぜ?」

『それだけは勘弁です!!!』

「じゃあ回せ」

『でもふつう女の子に回させるか?みてみなよ周りを』

周りは確かにカップルで男の方がハンドルに手をかけている。

「ったく…」

ブザーがなると同時にコーヒーカップは動きだし跡部は言った。

「俺様のハンドル裁きに酔いな!!!」

二人の乗ったコーヒーカップは高速回転を始めた。

―――10分後

「自分が酔ってどうすんねん」

「きもちわりぃ…」

『ほら、水買ってきたよ』

「あぁ…すまねぇ…」

跡部はもう限界だった。そんなとき…

ピーンポーンパーンポーン

「迷子のお知らせを申し上げます。都内よりお越しの跡部景吾君1、跡部景吾君。お連れ様がお待ちです。園内にいらっしゃいましたらサウスエリア、お客様案内所までお越しください。」

ピーンポーンパーンポーン

「あいつら…」

『行く?』

「行かねえ。もう知らねぇ…」

もう二度と遊園地には来ないと密かに誓った跡部だった。

※その後2人は宍戸と鳳に迎えにきてもらいました。


―――

知です。

はい、というわけで短編第一作目です!!!

実は授業中に思いついたネタでしたw思いついたらすぐメモする派なのでノートの端に走り書きがしてありますw

正直に言うと

「俺様の○○に酔いな!!!」
「自分が酔ってどうすんねん」

っていうやりとりがしたかったんですよねw


いやぁ、なんかgdgdな気もするけどそれが知クォリティーです☆

では今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m

20120126 知