夏休みという代物はどうも好きになれない。

ほとんどは部活に時間を取られてしまうし、部活中に熱中症になる生徒が多数いるからだ。夏の部活は殺人鬼だよ、うん。もはや夏休みをなくし一日授業をやって涼しい夕方から部活をやったほうが生徒のためなのではと思う。宿題だってあんなに大量に出されたら後半答え写ししかしないじゃない。原因はゆとり教育じゃなくてこういうところにあるだろうし夏休みなくしてこうすれば日本の学力アップじゃね?うち頭良くない?

「って思うわけ。」

行き慣れた客の少ないファーストフード店で目の前にいる切原に愚痴をこぼす。

「はぁ?馬鹿じゃねぇの?」

「なんで」

メロンソーダを吸いながら反論する。

「んなことしたら日本のスポーツが廃るだろ」

「あー…じゃあ体育科は除く…とか?」

「んー…そうじゃなくってよぉ」

「あたしが文部省の一番偉い人になったらそうするね」

「休みはどうすんだよ」

「今まで通り土日」

「じゃあ全国のカップル涙目だな」

「そうかな?あたしは別に構わないんだけど」

「て言うかさ、それ彼氏に言うセリフか?」

「いつからお前はあたしの彼氏になった?」

「ぶっ…」

名前のセリフに切原がオレンジジュースを吹き出す。

「汚いからやめっ…あぁもう!!」

タオルで周りを拭く。もう何回やったことだか…。

「先月のやりとり思い出せよ!!!」

「あぁ…」

なんとなーくそれっぽいやりとりを思い出す名前。

『お前、好きな奴とかいねぇの?』

『いない…いや、いるかも』

『へぇ…?どんな奴?』

『やだよ!!!言わないよ!!!!ていうか切原は?』

『いるぜ。すっとぼけてて全然人の気持ちに気づかねェくせによくわかんねぇ極論を考えては俺に愚痴ってくるやつ』

『んー…誰のことかな?』

『俺とどう?』

『いいんじゃない?』

『どうとらえればいい?』

『お好きにどうぞ』



「あぁ!!」

「思い出した!?」

ポンッと手を打ち何か納得した名前はすぐに切原に言い返す。

「え?あれってあんたのクラスの生徒会の子でしょ?」

何を言っているんだお前は、と言いたそうな顔をして名前は聞き返す。

やっぱ馬鹿だこいつ…。切原は心の底からそう思った。

「それはお前のこと!!!」
「え?」

漫画だったら名前の頭の周りにはクエスチョンマークがたくさん飛び交っているだろう。

「それってさぁ…ていうかあたしってそんなやつ?」

「っておい…。こういう時もうちょっと照れるとかないわけ?」

「いやぁ…情報処理能力が追い付かなくて…」

「なんでこんなのに惚れたんだろう…」

「男子って結構言わなくてもわかってくれるだろうって思ってること多いよね。特に切原とか」

相変わらない態度で淡々と切り返す。

「女子って結構こういうことについては察する能力高いよな。お前を除いて」

同じ言葉を使って切り返す。

「言いたいことはちゃんと言ってもらいたい主義だからね」

「はぁ…一回しかいわねぇからよく聞けよ。」

「うん…」

切原は名前の耳元でささやいた。

「………」

「ん。うちも」

――

赤也ってこんなキャラだっけww

えっと…リアルに夏休みはそうなればいいと私は思いますw
そして赤也がなんていったかはご想像にお任せしますw

20120729 知