第三章  



今日は土曜日。
今週は土曜授業もないので玲奈のところへ行った。

「玲奈?おはよう」

『あ、おはようございます。今日も寒いですね』

「そうだね。でも今朝、うちの庭の花が咲きかけたんだ」

『へぇ…。』

「今度咲いたら持ってくるよ」

『楽しみですね。』

玲奈は本当にうれしそうだった。

もうすぐ3月…卒業式が間近に迫っているのだ。
と言ってもほとんどが内部進学するし内部進学組と外部入学組でクラスも違うので
ほとんどメンバーは変わらない。言ってみればただの儀式なのだがやはりみんな揃って卒業式に出たい。俺はそう思った。

「ねぇ…卒業式には出られそう?」

『どうでしょう…でも正直記憶がないので行っても意味がない気がするんですよね…それにお医者さんがなんていうかわからないし…』

「そうか…」

露骨に肩を落としてしまったため何だか重い空気になってしまった。

「下でなんか買ってこようか?」

この空気を何とか打破したかった俺はしどろもどろになりつつもこういった。

『じゃあ私も行っていいですか?』「いいよ。でも大丈夫?」

『はい。すみませんがそこの車いすを取っていただけたら…』

「あ、これだね。どうぞ。」

車いすを開いて玲奈を座らせるために体を支える。そこで俺はとんでもないことに気が付いた。


膝から下が…ない…

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