「玲奈、いる?」
屋上につながるドアを開け声をかける。
『んっ…!?』
車いすに乗った玲奈は一瞬ビクッとしてこっちをみた。
『なっ…なにしにきたんですか!?止めたって無駄ですよ!!!』
「止めるって…なにを?」
『あっ…』
しまったという顔をして玲奈は口をふさいだ。
『もう自分が誰だかわからないし…友達だと言う人が来てもわからない』
「でもなんでそれが屋上にいることにつながるんだ!?」
『わからないんですか?死んでやろうって思ったんですよ!!記憶も足もない!!その所為で人には迷惑ばかりかけてる!!悲しませたりしてデメリットしかあたえていないんですよ!!!だったらいっそ飛び降りて死んだ方が…』
パァァアアン!!!!
無意識に手が出ていた。
「君が死んでも誰も悲しまないと思っているのか!!!俺は確かに玲奈のことで悲しんだりした!でも反対に玲奈によって喜ばされたりもしたんだ!!!小さい頃から俺の後ろにくっついてきて、大会で優勝したときはいつも一番に祝福してくれた!!病気になった時だって玲奈が励ましてくれたりしたんだ!!」
気づいたら抱きしめながら叫んでいた。