玲奈が目を覚ましてから3ヶ月かたった。
テニス部はみんなそのまま高等部に上がり、またテニス部に入部した。
「精市、最近玲奈のところへは行っているのか?」
「いや…高等部入ってから忙しくてそれどころじゃなくてね…」
笑ってみた。でもその顔に説得力はないみたいですぐ柳にばれた。
「たまには行ってやれ。事故前の記憶はなくてもそのあとの記憶はあるわけだからお前が行ってやれば喜ぶだろう」
「うん…そうなんだけどさ…もうじきインター杯予選もはじまるだろ?一応団体戦メンバーに入っているから練習を休むわけには行かなくて…」
「はぁ…仕方がないな。すみません、部長。」
「なんだ?」
「精市が具合が悪いみたいで」
「ちょっ…柳、なに言って…」
「幸村、お前団体戦メンバーに入っているだろう?まだすこし時間があるから今日は帰って休んで試合までに万全にしておけ。」
「いや…でも…」
「お前は特に練習で欠けられるより試合で欠けられた方が何倍も影響がでかい。」
「…わかりました」
「精市、おだいじにな」
「ありがとう」
柳の心遣いに感謝するとともに少し罪悪感があった。