花翳り
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寝られぬをしひて我が寝る春の夜の夢をうつつになすよしもがな
堀江こぐ棚無し小舟こぎかへりおなじ人にや恋ひわたりなん
うき身をばわれだに厭う厭へただそをだにおなじ心と思はむ
かれはてん後をば知らで夏草の深くも人の思ほゆるかな
彼岸より
過ぎにしもけふ別るるもふた道に行く方知らぬ秋の暮れかな
春の苑紅にほふ桃の花下照る道に出でたつ少女
終章
あとがき