▼ 副長の不安
『副長、起きてください。』
「ん…名前か…」
寝ぼけた顔をした土方は名前のことをみるや否や名前に抱きついてきた。
抱きつくと言っても甘えるように腰に腕を回し頭は膝の上というなんとも土方らしくない抱きつき方だった。
『ちょっ…ちょっと副長!?なっ…なにしているんですか!?』
真っ赤になっている名前にはお構いなしで土方は抱く力を強めた。
「…名前…どこにもいくんじゃねぇぞ…」
『は?なに言ってるんですか?副長、酔ってるんですか?』
「酔ってねぇ…。ただ…嫌な夢をみた」
『はぁ…』
「おまえが『副長さようなら。もう副長の顔なんか見たくありません』って…」
土方が悲しげに言うと名前は思わず笑いながら土方の黒髪を撫でた。
『大丈夫ですよ副長。私はどこにも行きません。ずっと副長のそばにいます。』
「そうか…。なぁ名前」
『何ですか?』
「時間…あるか?」
『えぇ。今日は非番ですので』
「じゃあ…俺の勤務時間までこうさせてくれ…」
『わかりました』
それから土方は名前の膝で眠った。
「名前……」
そして名前は時折、土方の寝言を聞いては黒髪をなでた。
そのとき障子の隙間からのぞいていた沖田がいること二人は知らない。
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膝枕ネタ第二段です\(^o^)/
20120212 知