▼ 最低。
夏真っ盛り。真っ黒の暑苦しい隊服に身を包み今日もそつなく公務(という名のさぼり)を行っていたところに名前に会い、ごめんちょっと付き合ってと言われファミレスに連れてこられた。
「へぇー…。そんなこと旦那に言ってて名前自身は辛くねぇんですかィ?」
「んー…どうなんだろう。なんかもう麻痺しちゃってるかも。それに私、あの子に勝てるような魅力ないからさー…。」
名前の恋愛相談を受けるようになってからもうだいぶ長い時間がたった。さっさと付き合うなら付き合っちまえコノヤロー。
「精神力強いんだかなんだか…。でもそれで旦那がその子に告って付きあうことになっちまったらどうすんでぃ?」
「んー?そん時はおめでとうって言うよ。そんでまたさっさとフラれろって言ってやるんだ」
笑顔で言うセリフじゃねぇだろ。
「泣かないんですかィ?」
「泣かないよ、少なくとも銀ちゃんの前では。」
「アンタほんと尊敬しまさァ。」
「なんで?」
「わかんないならいいんでィ。にしてもほんとに旦那のこと好きですね」
「そりゃ…」
耳まで真っ赤にして照れている。ほんとに好きなんだな…。
「アンタ見る目なさすぎでさァ。あんなマダオろくなことになりやせんぜ?」
「そうだけど!!銀ちゃんは…その…なんていうか…」
「あー、もういいでさァ。さっさと旦那に告って玉砕してきなせェ」
「なっ…!」
「ごちそうさんでしたー」
そう言って店を出た。
あぁ、本当に玉砕しちまえばいいのに。そしたら落ち込んでるとこに漬け込んでやるんでェ。
最低な願い事だってわかってるけど、名前が旦那しか見ていない今、俺にできることはなんもないんでィ。
―――
なんかまとまりないなー…すみません!
20130729 知