銀魂 短編 | ナノ

 あぁ、滑稽。

最近好きになった人がいる。あの人のことは好きになっちゃいけないってわかってたのに。

「ねぇ、好きな人いないの?」

「いるよ。3丁目の甘味どころの女の子」

「あぁー、あの子ね。かわいいよね」

銀ちゃんの行きつけの甘味どころの子は私の友人でもある。

「告白しないの?」

「いやー…なんか神楽がばらしたせいでお互い気恥ずかしくなっちゃってさー」

「そっかー。さっさと告ってフラれてきなよ」

「おまっ…」

「…したら私が一番に笑って慰めてあげるから。」

「応援してあげるねとか言えねーのかおめぇは」

「キャラじゃないんで」

違う。ていうかそんなこと言えるわけないじゃん…

「だから名前は彼氏できねぇんだよ」

「そうかねー?」

笑いながらそういう銀ちゃんにつられて笑いながら返す。

「あっ、やべっ!!悪い、今日仕事あっから家帰るわ」

「あ、うん」

「じゃあな」

「ばいばい」

笑って手を振って銀ちゃんを見送る。


あー…なんて滑稽な様。

銀ちゃん、私は貴方に人を想う気持ちを教わりました。今度はそれを忘れる方法を教えてよ。

この時期にはそぐわない冷たい風が後ろを通り抜けた。


―――

20130725 知

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