▼ the sweetest kiss
「副長はほんと馬鹿です!!もう知りません!!!」
「上司に向かって馬鹿はねぇだろ!!」
「馬鹿ですよ!!今なら世界一「馬鹿」という言葉が似合う人間です!!!」
「そうかよ!!そんなにこれが気に入らねぇんならさっさと出てけ!!」
「言われなくとも出ていきますよ!さようなら!!!」
――
「そんでこんな夜中にここに来たわけ?」
「ほっんとありえない!!あんなマヨラー!!だからしばらく居候させてくれない?」
万事屋で名前は出されたコーヒーを飲みながら銀時に愚痴をこぼしていた。もう深夜11時を回っており神楽はとっくに眠りについている。
「あのー…名前ちゃん?ここ駆け込み寺じゃないからね?愚痴り屋でもないからね?」
「分かってるよ。でも身内なんていないから屯所以外に家なんかなくって…」
「でもなー…ある程度時間たったら屯所帰れよ?なんだかんだで多串君も心配してっから」
銀時はいちご牛乳を飲みながら名前を諭す。
「いや、今回はないね。あの人自分から出てけっていたんだから。もう副長なんて大っ嫌い!!!」
マグカップを音を立ててテーブルに置くとまた「はぁ…」とため息をついた。
「じゃあ銀さんが名前ちゃんのこともらっちゃおうかなー」
「あはは…それでもい…んっ…」
言い切る前に銀時が名前の口をふさいだ。うまく息が出来ない。
「もーらいっ」
銀時はにやにやとこちらを見ている。
「なんのつもり…」
名前は銀時を思いっきりにらむが銀時は全くひるまない。
「なにってさっき自分で言ってたじゃねェか。銀さんでもいいって」
「じょっ…冗談に決まって…」
「もう遅ぇよ」
獣の目をした銀時は名前をソファーに押し倒し再び口をふさぎながら着物の中に手を滑り込ませる。
「やだ…」
「だからもう遅ぇって」
涙を浮かべて必死に抵抗するがいくら普段鍛えているといえど男の力には到底かなわなかった。
「やだ…怖い…やだやだやだ…ふく…ちょ…」
「はぁ…結局あいつじゃねぇか…」
そういって名前から離れポスンとソファーに座る。
「う…ひっく…」
「悪かったな。泣くなよ、もうなんもしねぇから」
「銀ちゃ…ごめ…」
「お前が謝ることじゃねぇよ。」
「ありがと…」
「ほら、送ってやっから屯所帰るぞ」
「ん…」
普段ならスクーターに乗っていくところだが名前のことを気遣い歩いて屯所へいった。
屯所の門番は名前の顔を見てすぐに道をあけてくれ、玄関を開けると土方がたばこをくわえ立っていた。灰皿のたばこの量からしてかなりの時間ここにいたのだろう。
「名前!!こんな時間までどこほっつき歩いてやがった!!俺がどれだけ心配したと思ってんだ!!」
「ごめん…なさ…」
小さな声でそういいながら銀時の後ろに隠れる。
「ちょっとちょっと多串くん、名前ちゃん怯えちまってるじゃねぇか」
「うるせぇ万事屋。ていうかなんでてめぇが名前といるんだよ?」
「なんでってお宅のお姫様が居候させてくれって言うから」
土方の眉間のしわがさらに深くなった。
「まさかてめぇ名前に手ぇ出してねぇだろうな?」
「出したけど結局やだやだいっててお前のこと呼ぶだけだったからキスしかしてねぇよ。」
「キスしかって…っざけんな!!!」
土方は銀時を殴り飛ばした。
「っつ…よかったじゃねぇか名前、お前の彼氏さん相当過保護だぜ」
「るせぇ…」
土方は顔を背ける。
「じゃあ俺はこれでお暇するとしようかな。ったく…人の色恋沙汰にゃ首突っ込むもんじゃねぇな」
銀時は首をコキコキならしながら戸に手をかけた。
「銀ちゃん…ありがとう…」
「あ?なんのことだか」
そういって銀時は屯所を出て行った。
「副長…ごめんなさい」
「あ?…俺も…悪かったよ…。頼むから今度から喧嘩しても出て行かねぇでくれ…これでも結構心配したんだからよ」
「はい…」
「それよりお前、あいつとキスしたのか?」
「……しました」
「そうか…」
「でも副長じゃないだめでした。全然嬉しくないし気持ちよくなかった…」
「たりめぇだろ。そういう風にお前がなっちまってるんだから」
「…ですね」
そういって名前に落とされた土方からのキスは世界一甘いものでした。
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ごめんなさい!!!!最後まとまらなくって((汗
銀さんはこういうとき悪役をかって出てきてくれる人だと思ってます、えぇ。
20121118 知