▼ ダイエットにご注意
『うわっ…うそ…』
風呂上り、体重計に乗った名前思わず声を上げた。
『3s太った…痩せなきゃやばいなー…。やっぱ間食はしちゃダメだよね。うん。ご飯も食べすぎなのかなー…。』
ぼそぼそとつぶやき部屋に戻りさっきの決意を紙に書き出す。
するとケータイがなった。送信者は名前の恋人である銀時からだ。
【来週末暇?もし暇だったら銀さんとパフェ食いに行こうぜ!!!!】
そう書かれた文面を見てうれしくも思うがダイエット中の名前は迷った。
『銀さんからの誘いはうれしいけど…うーん…』
悩みに悩んだ末に
【ごめん、来週末はちょっと用事があるんだ。また誘ってね^^】
と返すと銀時への罪悪感とここまでしてしまったのだから本当に痩せなければという義務感にかられた。
次の日、久しぶりにジャージを取り出し江戸の町を走る。次の日も次の日も…。
1か月たったが一日もサボることなく今日も走るぞとジャージを着て家を出る。真撰組の屯所を通って、大江戸スーパーを通って万事屋の一歩手前のところで銀時に会った。
「おっ、名前じゃねぇか。なに?さみしくて銀さんとこきちゃった?」
『いやいや…。私最近ダイエットしてるんだ。そんでそのジョギングのルートに万事屋あ入ってるの』
「ダイエットってお前…十分細いだろうが」
銀時は名前をじろじろとみる。
『全然!!!この間体重計乗ったら3sも増えててびっくりしちゃっ…』
「おい、どうした?」
『平気…。ちょっとめまいがしただけだから…』
「平気じゃねぇだろうが!!」
「……」
「おいっ!!!名前!!!名前!!!」
そのまま名前は銀時の胸に倒れ込んだ。急いで銀時はスクーターに名前を乗せ病院へと向かった。
2時間ほどして名前は目を覚ました。
『あれ…銀さん?』
「名前!!!」
『んっ!?』
銀時は名前を力いっぱい抱きしめた。
『ちょっ!!銀さん!!くるしっ!!!』
「ったく…心配掛けやがって…。栄養失調になるまでダイエットするか?それにこんなに細くなりやがって…」
『ごめん…』
「こんな細くちゃ抱き心地わりぃだろうが…」
『ごめん…。あまり太ると銀さんに嫌われるかと思って…』
「ばーか。逆に細すぎる方が嫌だよ。でもまぁ…俺のために頑張ってたのはちょっとうれしかったな」
銀時が腕の力を弱めると名前と向き合い手をポンと名前の上に置く。
「ダイエットするなとは言わねぇ。ただ無理なダイエットはやめろ」
『はい…銀さん』
「んぁ?」
『大好きです』
「わーってるよ、んなこと」
後ろを向いてごまかそうとする銀時の耳は真っ赤だった。
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20120506 知