「もしいきなり神様が出てきてさ、お主の願いを一つだけ叶えてやろうって言ってきたらどうする?」
「…お前頭大丈夫か。」


昨日やってたアニメの話をサソリにしてあげると嫌そうな顔をして一瞥された。私だってこんなファンシーな話は現実に起きるとか思ってない。でもアニメの主人公は自分の願いは世界平和だと言い放ったのだ。私なら絶対自分がお金持ちになるとか美人になるとか利己的な考えしか思いつかないのに美徳な思想を持っていた主人公に酷く感動し、それと同時に自己中な考えをした自分に後悔し反省した、心も美しい人間になりたい。私も叶えたい夢は世界平和って事にこれからしようと思う。


「叶えてくれる数を増やしてもらう。」
「あー、サソリなら言うと思った。」

はぁっとサソリは溜息をついて飲んでいたカフェオレを机に置いた。何だかんだ言って結局私の質問に答えてくれるサソリは優しい。そんなことを言ったらデイダラにめちゃくちゃ否定されたことがある、どれだけサソリに嫌な事されたんだろう。

「何願うの?」
「世界征服、億万長者…、」

ぽんぽん出てくるサソリの願いに苦笑がこぼれる。そういえば隣のクラスのペインくんは世界征服が夢って言ってたっけ。そうサソリに言うとめちゃくちゃ嫌な顔をしてた、どんまいペインくん!

「私世界平和願うから世界征服出来ないよ。」

サソリは私の言葉を聞くと目を少し見開いた。吃驚してるのか、何で?私が世界平和を願うだなんて思ってもみない感じ、まぁ昨日までの私ならそうだけど。


「お前は俺の近くで世界征服の快感を味わわせてやるよ。」

そう言ってサソリは厭らしく笑った。うわ、悪人顔。そう思った反面熱が顔に集中した気がした。俺の近くでって事は一種のプロポーズ?サソリがそんな風に思って言ったわけじゃないって分かってるけど照れる。期待をしてしまう。何気にサソリの事が好きだ、こんなことは口が裂けても言えないけど。





訂正、神様に願うのはサソリの隣で世界征服を味わう事。


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