サソリと付き合う事になった、ほぼ脅しだったけど。サソリが凄い顔で付き合えって言われた時私のすぐ後ろに傀儡がクナイ持ってて構えてたもん。絶対私が嫌って答えてたら今ここにいなかっただろう。サソリの寵愛を受けた傀儡となってたのかなぁ。
サソリと付き合ってから数日たったけどサソリは一向に自室から出てこない。任務の時以外は見たことがない。付き合う前にもそういう事は何度かあった(傀儡の調整とか新しい毒の調合とかで)、でも私にはちょっとくらい何か言う事はないんだろうか?って事でサソリの部屋に訪問することに決めて今現在サソリの部屋のドアの前にいる。ドキドキ、ドアを開けたらいきなりトラップが飛び出してきたらどうしよう。

ガチャリと勢いよくドアを開けるとずるりと足が滑った。私の脅威のバランス力で何とかこけなかったけど何だこのにゅるにゅる感。何かスライム的な物を踏んだ不快感で足元を見ると灰色のゼリーが散乱していた。…これ何度か見た事あるんだけど、と思いゼリー状のものの近くを見ると頭が割れた死体が転がっていた。そうだ、思い出した。これ脳みそだ。踏んだものが脳みそと分かった瞬間後悔した。私は裸足で何ちゅーもん踏んでんだ。っていうかサソリもこんなもんドアの近くに置かないでよ…。あ、サソリの事脳みそのせいで忘れていた。パッと視線をあげるとサソリは傀儡?を調整してるように見えた。っていうかサソリの部屋何か臭い。薬品と死体の腐乱した匂いが混ざってる。あれか、人傀儡は嗅覚もないのか。そういえば死体多いなぁ。ムワっとした匂いに鼻を押さえつつサソリの近くに寄ってみる。


「…何やってんの?」
「何だお前か。」

何だって何だ、とは思ったけどサソリは目を細めて私を撫でた。嬉しいのかなぁ、私が来て。それと死体触ってた手で触れられて欲しくなかったけどまぁいいか。

「お前のクローンを作ってる。」
「はぁ?」
「それならお前が死んだ時も俺と一緒にいれるだろ?」

私自身が死んだら気持ちとか無くなっちゃうし一緒にいれるっていうのはサソリの自己満なんだろうけど幸せそうに私のクローンを作ってるサソリに何も言えなかった。そうかだから死体がいっぱい転がってるのか。私と似てる臓器を持ってる人探したのかなぁ。
そういえばデイダラがサソリには昔私と同じように付き合ってた人がいて好きすぎて勢い余って殺してしまったらしい。その人を殺してしまってから一ヵ月ぐらいサソリは任務をこなせないほど後悔してたらしい。その経験をふまえて私のクローンを作ってるのかな、殺されずに済んで良かった!でも私のクローンを作るために殺された人たちは御愁傷様です。


され純度100%


サソリの愛は重いけど結構そんなサソリが好きである。


20110106
続きそう(笑)
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