「お帰りなさい。」
「あぁ。」

今日は機嫌が良い日なのかな。
長期任務から帰ってきたサソリはいつもの様な濁った瞳をしていなかった。綺麗で、私みたいな女が触れたら消えてしまうようなそんな瞳。


「明日は任務?」

間をみてサソリに話しかける。優しく、やんわりと。でも、機嫌を損ねさせたみたいで頬をぶたれた。さっきのサソリはどこにいったの?
そう思ったのもつかの間腹部に鈍い痛みが走った。久しぶりのこの痛みに懐かしさも感じる。二か月振りだなぁ…!

数十回この痛みに耐えるとサソリはパッと私を殴っていた手を離した。
支えて貰っていた?手を離された私の体はストンとその場にへたり込んだ。
必然と私を見るサソリは見下しているように見える、ゾクリ背中にぞわぞわとした感覚が伝わる。


ちゅちゅちゅ…、
さっきまでの行為が無かったようにサソリは私にキスを落とす。あまりに優しすぎるキスは少し物足りない様な気がした。あぁ、でも優しいキスも好き。荒々しいキスも好きだけど。

ガリ、私からサソリの唇をかみちぎってみる。痛みは感じないと思うんだけど唇にはツッと血が溢れだしていた。ペロリ舐めてみると鉄の味がした。意外にサソリも血の味するんだ!全身毒で出来てると思ってた。
サソリの方を見ると、にやりと笑ってた。唇から溢れる血が口紅を塗ったような大人っぽい紅でサソリの髪の赤にもサソリの濁った瞳にも全て合っていた。これも一種の芸術かもしれない!何て美しいのかしら!


「なに笑ってんだよ。」

あらいやだ、いつの間にか私は笑ってしまってたのか。口に手をやるとやはり私の唇は弧を描いていた。

ぎゅっとサソリが唇を押しあててきた。立派なキスだと思うが押し当てる、の方が合ってると思う。
唇が離れるとネバっと血の糸が引いた。私の唇も紅く染まってしまったのかな?そう思うとまた笑みがこぼれた。


ぐっとサソリは私の首を絞める。それをされた私はサソリの核を引っ掻く。そうするとサソリは少し眉を顰め首を絞める手の力を強くする。
力が強まったら私も負けじと強めに引っ掻く。またそれにサソリも強く強く首を絞める。そろそろ意識が飛びそう。

ふにゃふにゃと視界が歪む。あぁ今回もサソリに負けた。いつになったら私がサソリを瀕死まで追い込むことが出来るんだろう…。
いつの日か叶うと思う夢を待ち侘びながらサソリの腕で気を失った。


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