二年間愛用していた携帯が、目の前で逆パカされた。呆気なくお陀仏してしまった携帯。だらしなくお気に入りのストラップが揺れる。そうだ、壊れたんだからお母さんに頼んで流行りのスマートフォンを買って貰おう、どんなのにしようかなあ。ああでも待って、携帯を買い換えるまでの期間わたしはどうしよう。メールも出来ず友達のホームページに飛べないなんて、死刑宣告されたのも同然じゃないか。自分で思ってる以上にわたしは携帯依存症なのかもしれない。


「こっち見ろよ。」


わたしの携帯を逆パカした張本人、不動が苛立った声をあげた。不動とは恐ろしくて目を合わせることが出来ない。わたしのその態度に我慢出来なかったらしく、不動はわたしの携帯を床に叩きつけ足で踏みつける。がちゃぐちゃがちゃぐちゃ、携帯の内部の回線やボタンが無残な姿になりはてた。さっきまでメールを届けてくれたり文字を映してくれたのに。サヨナラ、わたしの携帯ちゃん。


「もうこんなガラクタ、いらねぇだろ。」
「、うん。」


わたしの返事に不動は満足そうに笑みを浮かべる。わたし、不動に何かしたっけ?不動とはちゃんと顔を会わせたのは多分初めてだと思う。隣のクラスの不動明王、それぐらいの認識だった。どうしてこんな事をされたのか、どうして怒ってるのか、わたしには到底理解することができなかった。





20111212
一人で勝手にスマートフォン祭り
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