同じクラスの源田くんは、とても優しい。格好良くて、スポーツも勉強も出来る。これほどまでも完璧な人は源田くんしか見たことがない。


「…ねぇねぇ、源田くん。」
「ん?どうした。」
「今回の実力テスト、総合で何点だった?」
「…151点。」
「  え、」


驚いた。え、え…!?あの源田くんが151点?わたしより悪いじゃないか。この前の中間テストは400点余裕で越えてたって聞いたのに!え、わたしの聞き間違い…?


「ヤマが外れてしまってな、」
「意外、だなぁ。」
「塾の先生に、こってり絞られたよ。」
「あはは、わたし源田くんが行ってる塾、すっごい厳しいって聞いたよ。」
「厳しい割には、あんまり頭は良くならないがな。」


頭が良くならなくても、源田くんと同じ塾に通えるだけで意味があるんだよ。なーんて、言えたら良いんだけどね。生憎わたしは既に他の塾に通ってるため、源田くんと同じ塾には通えない。両親に塾を変えてくれないかと交渉しても即答で無理だと言われた。教材費だとか、何やかんや高いもんね。あー、源田くんと同じ塾に通いたい。


「ところでお前は何点だったんだ?」
「201点!」
「おお、凄いじゃないか。」


こんな風に源田くんと談笑出来るようになるまで、どれだけ時間がかかった事やら。こんな地味なわたしとも笑って会話してくれる源田くん、やっぱりこんな優しい所が大好きだ。


***


今日、街中を歩いている源田くんを見かけた。いつもと少し違って見えたのは、源田くんの隣に可愛いくて綺麗な女の子がいたからだろう。やっぱり、源田くんは地味な子より可愛い子の方が良いんだろうか。喋れただけで舞い上がった自分に反吐が出る。わたしなんかが、源田くんの隣で歩けるわけないのに。みんな、しんじゃえ。





20110620
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