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僕もバカじゃないと思った
「ナナって花みたいだな!」

からかってやるつもりで言った。

褒められた!と単純なナナが笑顔になる頃合いに、赤くなるところや、水をやるのと同じくらい手軽な言葉ですぐ喜ぶところ、風が吹いたくらいで倒れるところがそっくりで、あっという間に枯れるだろう!と決め台詞を放ってフィニッシュを決める予定だった。

なのに。

「私も!メロのことひまわりみたいって思ってたの!」

目論見通りにっこり笑って喜んだナナが、想定外なことを言い出して計画は台無しになった。

「黄色の花びらがその素敵な髪みたい、太陽に向かうのと同じように目標に向かってまっすぐ進んでいくところ、何より明るくて元気がもらえるところ。私がひまわりを好きなのはメロに似てるからなの。同じようなこと、考えてたのね!」

本心なんだろう、もう何度もそう思ったことがあるんだろう。
迷わず悩まず一息に言い切った言葉の全てが、ちょっとだけ見える自分の鼻の先を見る間に赤く染めたのが分かった。

だから僕としては悔しくて、結局「 バカじゃん!」と言い返す他なかったんだ。

その言葉を聞いた恐ろしく愛しい目の前のmy sweetyはムキになって。

「どうして?本当だもん。私、バカじゃないよ?」

相も変わらず真剣な目つきでこう答えたものだから、もうお手上げだった。

僕もバカじゃないと
思った
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