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merry christmas 2015**
「おはよーございます(小声)只今、ど深夜です。でも日付は変わっております。つまり、メリークリスマス!」

マットの声にメロが怪訝な顔をして尋ねる。

「お前、誰に言ってるんだ?」
「メロにだよ!さ、プレゼント見にいこうぜ!」

今日はクリスマス。とっておきのプレゼントがもらえる日。

うきうきのマットを追いかけ、メロがナナの用意したクリスマスツリーの元まで進むと、既にLとニアが到着していた。

クリスマスツリーの下は、プレゼントの山、山、山!
ナナはクリスマスに張り切りすぎる。4人の喜ぶ姿見たさに。
と言っても、彼女は今ハウスの子ども達にプレゼントを配っている真っ最中なのだが。

「豪勢ですね…早速開けてみましょう。」

Lの声に、ニアが手にしていた最初の包みを開けた。

「まず一つ目。これは業務用の角砂糖ですね。」

ニアの発言にLが反応する。

「それ、私のじゃないですか。」
「いえ、量が尋常じゃないのでタワー用かと。」
「私も尋常じゃなく消費しますが。」
「Lにはこれじゃないですか。スイーツ用の箱があります。」

ニアに言われて3人が目を落とすと、目に入ったのはスイーツ用の箱…だけど…

「異様に大きいような。」
「まぁとにかく開けてみてよ!」

マットに促されLが箱を開けると、

「これは…プディング。」
「…でかいな。」メロの反応に、
「手作りだからこそできるクオリティ…!」マットが重ねる。

「特大プディング、早速いただきましょう。…やはりナナお手製は格別ですね。甘さが違いますし、それに何よりこの量。」
「どれどれ一口…いでっ!」
「マット、これは私のものです。一口たりとも分けません。」
「ちぇー。あ、俺にもあるじゃん!ティラミスだ〜!」

喜ぶマットが手を伸ばした先を見て、ニアがあることに気付く。
「やたら層が多いような。」
更にメロも気がつく。
「ボーダー…?」

4人に静かな衝撃が走った。

「さ、さすがナナ…!ボーダーティラミス、いただきますっ」

「お、俺にはチョコレートタルトか。分かってるな。」
「ティラミスとシェアなんて」
「しない。ナナが作るやつはチョコレートの量が多い特別仕様だからな、俺専用。」
「くそー、じゃニア!ニアのスイーツ何だった?」
「私のは…テディベアですね。」
「甘いもんじゃないのかよー!」
「最近ナナがこそこそと作っていたのはこれだったんですね。抱くと暖かいです、大切にします。」
「いーなー!お、これは俺宛だって♪どれどれ…?

電子…マネーカード…。」
「お前…何度もナナに現金引き出し頼んでただろ。自分で管理しろってことだな。」
「優しいのか見放されたのか分からないな…!ん、ニア何それ。」
「プレーステーションポータブル。ですね。」
「!!それこそ俺のだろ?!」
「いえ、私宛になっています。ふふ…これで室内生活がますます充実します。ナナは分かってますね。」
「おおおい!俺もゲーム機欲しい!あ!!これ!俺にもあるじゃん!…ん?これ、と け い?」

次にマットが手にしたのは、ゲーム機…型の置き時計。
「時計、ですね。もっと時間を有効に使えというメッセージでは。」
Lに指摘されたマットは、受け取ったプレゼントがナナのお説教とは信じない。

「ナナがそんなきついこと言う訳ない…多分!」
「おや私にもありました、時計。ということは時間に対するお説教ではなさそうですね。」
「L兄さんひどい。」
「この時計、温度湿度や降水確率が分かる上に録音機能まで…使えますね。愛用します。」

「俺にもあるな。」
「メロも!?
おっメロの時計はアンティーク調か〜おしゃれ!」
「そりゃ俺のだからな。縁がレザーになってて持った感じが手に馴染んでいい。つーかお。」
「(メロ、なんかちょっとテンション上がってる…!)」

「私のはロボット…かと思えばこれも時計になってますね。…目覚まし機能つき。」
「ニア、ナナが早起きしろってさ!」
「マットにだけは言われたくありません。
…これ玩具としても遊べそうなので、日常的に使うことにします。」

ひとしきりそれぞれの時計を見たマットが「時間見る度にナナを思い出すっていうのも悪くないね。」と呟くと、残りの3人も満足げに頷き同感の意を示した。

**

「玩具といえば私宛のこの箱は何でしょう。」Lの声を聞きメロが振り向く。
「なんだ?これ…」Lが開封する横で一番に目にするもチョコレート専門のメロにはちょっと見慣れない機械。

「綿あめ製造機ですね、昔ながらの。」
ニアが答える。

「なるほど素晴らしいチョイスです。ザラメ糖もセットされてる準備の良さ。早速作りましょう。」
「L、指で直接作ったら危なくないか…?」
「良い子は真似しないでください。私は良い子ではないので大丈夫です。(ぐるぐるぐるぐるぐるぐる)」

(夢中になってる…)
3人は一回り大きい悪い子に呆れつつ、次の包みに手を伸ばした。

「これは私宛。 …!」
「ん、ニアどうした。」
「何これ?お風呂用プラネタリウム。いーなー!面白そうじゃん!」
「またお前の好きそうなものを…ナナもよく見つけてくるな。」
「綿あめ機よりは見つけやすくね?」
「確かに。どこで探してきたんだあれ。」
メロとマットが会話していると、ニアがおもむろに立ち上がる。

「私は少し席を外します。」
(待ちきれないのか…)呆れるメロの視線を背中に浴びながらニアは浴室に進んでいった。


「ヤーーー!!」
「マット!突然何のつもりだ?」
「見よ!ライトセーバーーー!」
「流行りものも入れてくるナナのセンス…」
「メロにもあるよっ!ほれっ!」
「おお。(持ってみると結構アガる。)」
「いくぜーっ」
「ちょっやめ!」
「あ、ずりい!本気出すなよ!」
「出してないだろ…」
チャンバラごっこよろしくライトセーバーを振り回す二人。ふとあるものにメロが気がつく。

「、待て、」ガサガサ…

チャッ!と次の瞬間メロが構えたのは、

「あ゛!エアガン!
ちょ、待てよ、それどっち?本物?」

「撃ってみれば判るな。」
「メロ…冗談に聞こえないから。」
「これからはうるさい奴を黙らせたい時、板チョコ勝手に食われた時、…何かと使えそうだ、いいものを手に入れた。」
「ねえ本物かどうかだけ教えて?」
「フフ…」

「…何やってるんですか。」
ほとんど綿あめ化した右手を味わいながらLに声をかけられると、悪戯顔をしていたメロが少し顔を赤くする。

「あ、ニア戻ってきた!」
「はい、戻りました。」
(ニアが素直なおへんじ…)
(満足したのか…)
マットとメロがそう思うと同時に、Lが次の包みを開く。

「これは、化粧品ですね。」
「俺宛に、トリートメントか。ますます金髪が美しくなるな。」
「私のこれは、リップとマニキュア…」
「L…そういう趣味が…!?」
「マット、今の発言はよく覚えておきます。どうやらこのリップ、苺の香り付きのようです。とすると、このマニキュアは…爪をかじると味がするとかいう類のものでしょう。」
「普通そういうマニキュアって苦いんじゃないの?」
「特別仕様です。爪をかじると甘いとは、素晴らしい発想です。

…しかしこうなると本物も食べたくなりますね。」

Lが味のついていない爪をかじると、ニアが気を利かせ声をかけた。
「この箱、ケーキじゃないですか?」

「!ブッシュドノエルとホールの苺ケーキ。」確認した直後からLの目が輝く。
マットが嬉しそうに「サンタとトナカイも乗ってるー!」と声を上げると、メロが「あの砂糖のかたまりか…」と呟く。
「見た目はいいが、あれの食味は好みが分かれ…」
「もういただいてます。砂糖のかたまり…最高ですよ、間違いありません。」

Lは早々にサンタとトナカイに手をつけていた。
呆れるメロの横で今度こそ分けてもらえると踏んだマットが明るく「じゃ、みんなで食べようー!」と、ニアに誘いの声をかける。

と、

「…」
黙ってマットを見つめるL。

「…ぇ。苺のケーキなんてホールだし…」
焦るマット。

「おいマット、Lだぞ?」
呆れるメロ。

「…ぇ。ブッシュドノエルと2つあるし…」
諦めないマット。

「マット…Lですよ?」
ため息をつくニア。

「これはナナが私にくれたものなので勿論分けません。」
答えるL。

「ケチーー!」
「受け取った私に許された当然の権利です。」
「そんなこと言わずにさぁ…

あ!メロ!これは!?」

マットが新しく見つけたのは…
「お菓子の家。いいだろ。」

「板チョコでできてる!すげー!」
「精巧に出来てますね。」
マットのみならず、ニアも興味を示した。
「食べるのが勿体無いな。」
「じゃ俺が!あっ!」
「これは オ レ の。しばらく眺めてあとでゆっくり食うから触んな。」
「くうう…あ!まだある!来い俺のプレゼント!これは…」

「悪いな。俺宛のチョコレートだ。最後をシンプルに締めるには普通のチョコレートがないとな。さすがナナ。美味い。」
「板チョコ開けて食べるまでの速さ半端じゃねーな…。」

「マット、これはあなた宛では。」
「おおーー!何!?これ…

新しいゴーグルだ!こげ茶でお洒落。
何だ〜ナナ、俺のことも考えてくれてるじゃん(涙)」
「…良かったですね。」
ニアの憐れみに満ちた声に気付かず頷くマットの横で、綿あめの手を食し、綺麗にし終えたLが宣言した。

「最後に2つ、やたらと大きいものが残っています。」
「こちらは…私用のホットカーペット。この上でプレーステーションポータブル片手にロボットとテディベアで遊び、入浴時にはプラネタリウム、
…クリスマスっていい日ですね。」

「ではこちらは…」
「頼む俺にいいやつ!」
「マット、貪欲だな…ってこれ…」

「でかっ!!!!!!!」
手を合わせ祈りのポーズを捧げていたマットが驚きの声を上げる。
「えっ?パズル?パズルだよね?パズルだけど、でかくね?」
「しかも私たちの集合写真が印刷されてます…。」ニアが呆れれば、
「1ピースたりとも外部に持ち出せませんね。」Lも妙な緊迫感に口角が上がる。
「これ、私用じゃないですか?」
「いえ、パズル=ニアとは限りません。」
「何気に俺たちもできるからな、しかも柄入りなら余裕だろ。」
呟くメロが密かにワクワクしているのが伝わる。

「よっしゃ!ナナちゃんからの挑戦受けて立つ!」
「あ、こらマット、先に手を出すとはっ」
「おいニア、お前は無地のとこやれよ。」

馬鹿でかいジグソーパズルに3人がテンションを上げている横で、ニアは(一人でやるのはほとぼりが冷めてからだな。)と判断した。

「この量じゃ四隅すら見つかんねー!!」
「私はこれ、裏返しでもできますよ。私、パズルも結構強いですよ?」
「L、それ強いって言うのか…。」
「(マットとメロの持ってるピースはくっつくのに…)」



……

と盛り沢山のプレゼントに囲まれて、天才4人はワイワイとクリスマスを過ごしましたとさ。

「ナナのおかげで退屈しないクリスマスになりましたね。流石のチョイスでした。」Lが満足げに呟けば、
「ほんと!ナナちゃんありがとー!」マットも頷きプレゼントを抱きかかえた。
「ナナに感謝します。」ニアもプレゼントを抱え、つい溢れたような調子でひとり言を漏らす。
メロが「…さ、今度は俺たちがナナにプレゼントを渡しに行くか。」と告げると、3人が頷き形勢逆転。

今度は4人がサンタさんになるクリスマスの、はじまりはじまり。→I think

special thanks &
many merry christmas!
ナナさん**
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