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迷い人
おかしいの。

私は仲間に入っているのに、仲間外れだ。

メロ、あなたの顔つきをこわいと言う人が沢山いたけれど、

あなたを手離した愚かな人達も、もしかしたらそう言ったのかもしれないけれど、

私はそんなこと一度も思わなかったよ。

**

キラ事件が徐々に核心に近付いていることは、何となく分かってた。

メロとマットの二人が、私をあまりこのことに関わらせてくれなくなったから。

ハウスからメロが姿を消した後、とても寂しかった。

どうして私を連れて行ってくれなかったのかと恨んだよ。

そりゃあ、足手まといにしかなれない私だけど。


マットに連絡があった時、最初は嬉しかった。

無理矢理にでもついていくって決めた。

でも久しぶりに顔を合わせた時、驚いたよ。

どうしたの?

泣かずに声をかけるには一言しか絞り出せなかった。

メロは「あぁ、」しか言ってくれなかったね。

それじゃ分からないよ。

でも

分かってしまう。

メロは行くところまで行ってしまったんだ。

**

一緒にハウスで追いかけっこをしたよね。

虫が服についてしまった時、躊躇せず取ってくれて、かっこいいと思った。

サッカーをやっている時、あなたが優しい顔をしていたのを私は一生忘れない。

メロ、

目の前にいる大切なメロ、

あなたは一体何処まで行ってしまったの?

**

同じ車の中、こんなに近くにいるのに。

同じ空気を確かに吸っているのに。

後部座席に私を置き去りにして、二人は誰かを待っている。

私は世界の平和より、大切な人の無事を祈る。

身勝手だと言われても、愛ってそういうものでしょ?

もう艶めくサラサラのブロンドは見られないんだね。

メロ、

どんな風に変わって、どれだけ離れてしまっても、

私だけはずっとずっと、あなたのことが大好きだよ。
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