ひとりごと | ナノ

* 2020.07.06 DREAM

7/6風鈴

りりん、りりん

と、涼しい音を響かせる頭上の硝子。

この高い音で、暑さを和らげて感じ取ろうとする。
風流といえば尊重される、柔らかな狂気。

隣に彼女がやってくる。よく冷えた茶類を持って。

はい!とグラスを手渡される時、この夏一番の熱気が襲う。

にこにこと朗らかな笑みがまっすぐにこちらへ向けられ、僅かに戸惑う瞬間。

「わぁ…」

りりん、りりん

風に踊って軽やかな音色が響き、彼女はそれを見上げる。

「…いただきます」

彼女の視線から逃れた私は急ぎグラスを受け取った。

なるほど、風鈴。
こもった熱気をいくらか下げる、確かな効果は持っている。
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