7/6風鈴
りりん、りりん
と、涼しい音を響かせる頭上の硝子。
この高い音で、暑さを和らげて感じ取ろうとする。
風流といえば尊重される、柔らかな狂気。
隣に彼女がやってくる。よく冷えた茶類を持って。
はい!とグラスを手渡される時、この夏一番の熱気が襲う。
にこにこと朗らかな笑みがまっすぐにこちらへ向けられ、僅かに戸惑う瞬間。
「わぁ…」
りりん、りりん
風に踊って軽やかな音色が響き、彼女はそれを見上げる。
「…いただきます」
彼女の視線から逃れた私は急ぎグラスを受け取った。
なるほど、風鈴。
こもった熱気をいくらか下げる、確かな効果は持っている。