7/3ソフトクリームの日
「ありがとまっとーー!」
買い出しに出た帰りに、近くのカフェでマットがソフトクリームを買ってきてくれた。
暑い日のソフトクリームは、溶けるのが一段と早い。
受け取る時には先端の丸くなっているそれをスペシャルハッピーに手渡されると、もうにこにこが止まらない。
「つめたい!おいしい!最高っっ!」
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ソフトクリームを買って、振り返る。
たったそれだけのことしかしてないのに、得るものが多すぎる。一粒万倍。
俺の手元を見てぱぁっと明るくなる表情。
差し出せば、完璧なスマイル。
彼女より美人なら世界中に沢山いるだろう。
でも笑ってもらえてこんなに嬉しくなるのは彼女だけだと思う。
不貞腐れてる時は面倒だなと思うのに、屈託のない笑顔を見せられるとむず痒くて堪らなくなる。
だからたまに、こうやって引き出してみたくなるんだよね。
「今日ソフトクリームの日なんだってよ」
「そうなの?くわし〜い!」
ご機嫌な声を耳に、俺たちは昼下がりの帰路を進む。