奇を衒うは欺瞞の冬


私の町は奇妙な町だった。町中がニンニクと十字架だらけ。昼になると人たちは元気に動き出すのに、夜になると人っ子一人いない。余所者がうちの町に来ることも稀で、宿屋の娘である私がサヨナラも言えぬ内に何時の間にかいなくなっている。
遠い昔、一人の研究者が私たちの町について本を出したことがある。町に近隣する森の中にヴァンパイアが住む城があるという話だった。元々森の中は狼が徘徊していて危険な場所だったが、もっと恐ろしい人類の恐るるヴァンパイアが其処には居ると。人々は恐れて私達の町には近付かなくなった。またある人々はヴァンパイアを殺そうとヴァンパイア狩りを始めた。長くにあたり人間とヴァンパイアの戦いは続き、その城に住むヴァンパイアは居なくなったと一人の人間が謳った。人々は喜んだが、気味悪がれて私達の町に近付く者が増える事はなかった。また、私達の町に染み付いたニンニクと十字架が消える事もなかった。
私は17の娘になっていたけれど、勝手に部屋から出る事は親に許されていなかった。窓から見る外と、親に貰う本と、偶にやって来る旅人と親が同席する中で話を聞く事だけが、私の全てだった。旅人は口を揃えて、ヴァンパイアの話をしたが、私は御伽噺と奇妙なこの町の歴史でしかヴァンパイアを知らないし、親もニッコリと笑って、作り話ですよとしか言わなかった。
作り話なら何故私は家から出れず、この町からニンニクと十字架は消えず、夜に人は居ないのだろう。そんな不思議に私はずっと声を出せずに過ごしていた。









寒い寒い、大雪が降る18になる日、町中は大騒ぎだった。元々若者の少ない町であったし、小さな町なので一家が騒げばみんなが騒ぎ出す。その日まで閉じ込められるように過ごしていた私はその時初めて大勢の前に姿を現し、言葉をかわす人、一人一人に可愛らしい可愛らしいと声をかけられた。弾丸のように私に言葉が浴びせられ、私は声ひとつ出なくなり、ただ愛想笑いを浮かべる。私が主人公の筈のパーティはいつの間にか私を棚に上げた鑑賞会のようだった。パーティには当たり前のようにニンニクの匂いが充満している。居心地が悪くて堪らない。
そんな中一人だけ隅で私を見つめる若い男を見つけた。私が目を向けると、一瞬驚いたように小さく目を見開き、にこりと妖艶に笑う。瞬間に胸がどくりと音を立て、早く脈打ち始めた。血液が活性化するのを感じる。息を吸うと喉がヒュッと鳴るのが自分でも分かった。口の中が渇ききっている。少ないあるかないかも不思議な唾を飲み込んだ。男は満足そうに微笑むと他の人と話し始める。私はその男からなんだか目が離せなかった。目が合った瞬間、目の奥が、赤く赤く見えた。しかしその後、彼が私に声をかけることはなかった。
パーティは夕方になると終わりを告げ、今まで人がいたのが嘘のように人が居なくなった。親は嬉しそうに、慈しむように私に賛美の言葉を投げかけ、日が沈んでくるといつもの様に部屋に閉じ込めた。
いつもだったらすぐ布団に入る筈だった。その日は何故か眠ることが出来ずに、窓から外を眺めていた。しんしんと降り続く雪雲からでも主張して見える月は、丸く、大きく、赤い。
昼間の男の目を思い出した。あの男の瞳の奥もこの月のように赤く、深い色をしているように見えた。急に苦しくなる。
どこの人だったのだろう。ぼうとしていると、窓に黒い影が差したことに気がついた。窓の外を見ると、いつの間にかこちらを覗いている、昼間のあの男がいて、私と目が会うと笑いながら手を振った。心臓が跳ねる。男は口をパクパクと動かしながら、窓をコンコンと叩く。私は急いで窓を開けようと思ったが、幽閉されている私にその窓が開けられない。そこにはいつも鍵が掛かっている、はずだった。鍵が掛かっていなかった。

窓を開けると、冷たい空気と雪が私の部屋に押し寄せるように入り込み、同時に男も軽々と入り込んだ。その間数秒。男は窓を閉めてから、雪を払い落とす。

「開けてくれてありがと〜。さっむい夜だね〜。」
「あなたは、昼間にいた、」
「覚えてくれてたんだ、一瞬目が合っただけなのに。」

男が楽しそうに笑うのに、私はなんだか寒気がした。窓を開けた冷気が今頃身体に触ったのだろうか。自分を守るように無意識に身体を抱きしめた。

「お誕生日おめでとう、ナマエちゃん。」
「...ありがとうございます。」
「もしかして、急に入り込んだから警戒してる?その割には、すぐ窓開けてくれたよね。」

それは、あなたが開けてと言ったから、なんて言葉は解答にならない。確かに私は彼に興味があったし自ら望んでその窓を開けようとしたのだ。口を噤み少し揺れた私の視線に、男は嬉しそうに笑いながら私との距離を詰めるように顔を近づけてきた。本能的に右足が一歩下がる。
なんだか怖い。怖いはずなのにまた、その瞳の奥の深くて赤い色に吸い込まれそうになって見てしまう。血液が早く早く循環するのを感じた。暑いのに、寒い。

「今日はナマエちゃんを舞踏会に誘いにきたんだ。」
「舞踏、会。」
「そう、俺の城で開こうと思って、舞踏会。」
「城?」
「知らない?森の中にある、お、し、ろ。」

楽しそうに笑うその口から覗いて見えた歯は鋭くて、ちろりと赤い舌。息を呑むと、背中から大きな黒い黒い羽が突風と共に姿を現した。冷たい手が私のあごを撫で、背筋が凍る。この人、もしかして。

「ヴァンパイア・・・。」
「すっと待ってたんだ、君が18になるこの日を。」

心臓が早鐘を打っている。でもそれが私には、本能の警鐘なのか、本の中で見た恋なのか、それとも別の何かなのか、想像もつかない。なぜなら私はただこんな狭い部屋が18年間の全ての世界である、ちっぽけな娘。自分の身が危険に晒される事も、人を見て死ぬほど恋焦がれる事も、この体を千切れるまで動かした事も、ないのだから。
私が黙っている事を良い事に、目の前の男は、背中についた大きな蝙蝠の羽を見せ付けながら、鋭い牙をもう隠すこともせずに雄弁に語る。

「君が生まれた時、本当は攫おうと思ったんだけど、失敗しちゃったんだよね、俺もほら、若かったし。そしたら君のご両親は俺を警戒して君をこうやって18年間、大事に大事に育ててくれた。俺としては好都合だよ?お陰で滅多に日に当たらない君の肌はこの雪に見合うくらいキレーなんだもん。そーいや君が生まれた日もこんな雪の中だったし、真っ黒な俺にぴったりだと思わない?ああ、舞踏会の心配だったら要らないよ。君の為にドレスも拵えたんだ〜、その肌に、その唇に似合う真っ赤なドレス。弟達が羨んで君を攫ってしまう位、かわいーんだろうね、楽しみだなあ!あ、心配しないで。他の兄弟にはぜってえ渡さねえから。君は俺だけのものだよ。」

兄弟?18年間?
ヴァンパイアは御伽噺だけの、誰かの作り話の中だけの、存在ではなかったというの。しかも、滅んではいなかったというの。だって、彼には兄弟がいて、しかも18年間私を待っていたという。私の両親は、それを知っていたのか。知っていて、私をこんな目に合わせたのだろうか。私をうっそりと見つめる彼の妖艶な笑みは、何故か私の心臓の動きを加速させる。その瞳の奥にある赤い赤い光がなにを考えているのか読み取れなくて、暴きたくなる。

「俺は君の望むもの、何でもあげるよ。」
「なんでも?」
「うん。」

悪魔のような囁きに私は本能的に反応してしまう。その瞬間彼の瞳がまた赤く光り、嬉しそうに笑った。彼の何度目かの笑顔に私は違和感を覚える。彼は鼻歌を歌って私のベッドに腰掛けた。私も距離を置いてベッドに腰掛ける。

「当ててあげよっか。まずはそうだなー、もっと色々な本が読みたい。」
「…読みたい、です。」
「それにー、自由になりたい。」
「…はい。」
「あとはねー、君はにんにくが好きではないよね?」
「…ええ。」
「えっとー、野原を駆け回りたい。」
「………ふふ、」
「あ、初めて笑った。」
「えっ。」
「かわいー。」

思わず顔を隠したら、彼はにんまりと笑って、あとは、と、また私の望むものを並べていく。それは魔法のようだった。
久しぶりに笑みがこぼれた。バカバカしいと思ってしまった。野原を駆け回りたいなんて、私には想像だけの夢のような話。青草の匂いが、花の匂いがほのかに香って、周りに蜜蜂や蝶が忙しなく飛んでいるところを、私は邪魔するように、自分の欲望のままに走り回るのだ。そんな場所、知りもしないのに。それをくれるなんて言う。

(でも、考えれば誰だってわかるもの。)

すっと、心が覚めていくのを感じた。私の境遇を知っていれば、誰だって推測ができる。あたりまえが欲しい。そんなものを、得意げに並べられても困るのだ。
反応をしなくなった私を見て、彼は言葉を止めて、私を見つめた。

「城には本がたくさんあるよ。君がしたいこと全部させてあげるし、この羽根でどこへだって連れて行ってあげれる。それに、」
「まだ続けるんですか?」

呆れてしまって、笑えているかも不思議な感情で問いかけると、彼は楽しそうに笑った。鋭い、赤い眼光が私を突き刺す。

「何よりも、恋がしたいだろ。」

息がつまった。
誰も知らない、私も目を逸らしていた、小さな欲望。

「俺があげるよ。君のその美しい体も、命も、永遠にして、俺と愛し合おう。」

どろどろと溶けるような音。私の理性がその甘い言葉に溶けていくのが分かった。その瞳の奥、輝く赤い光が、私をずっと捉えている。

「私もヴァンパイアになるってことですか?」

私の声はからりと乾ききっていた。彼はうつむいて、ベッドから立ち上がり、私の正面に跪く。それから私を見上げるその顔には、もう、笑みも張り付いていない。

「正直、俺は君の血が欲しいよ。18年間で、もーぺこぺこ。でも、君が望むその日まで、待っててあげる。君が嫌なら、君の体が朽ちるまで、待っててあげる。」

できればその若い体のうちがいいけど、と笑う彼に、何故、なんて聞けなかった。ヴァンパイアは欲望に忠実な生物で、永遠にその尽きない欲望を満たそうとし続ける。その永遠の命と共に、欲望が満たされるのを求め続ける。なんて悲しい生物だろうと思っていたことか。それなのに、目の前の生物は、それよりも、もっと、儚い。

「君の為に、太陽にだって、ニンニクにだって、十字架にだって、負けないように生きてきたんだ。」

昼間のパーティを思い出した。そう、昼は大雪が降っていて曇っていたものの、偶に太陽が顔を覗かせていた。パーティにはニンニクが欠かせなかった。町には十字架が沢山ある。そんな中、彼はそこにいたのだ。私と一瞬、目があった、あの時。
なんて愚かなヴァンパイア。こんな何もできない娘の為に、自分の命が失われる事も顧みず飛び込んだ。一度目が合ったあの瞬間から、彼が浮かべている笑みは、ヴァンパイアのその笑みじゃなかったのだ。私を見つめる瞳の奥に揺れる赤い瞳が、私の心臓を大きく鳴らした。口の中が渇く。呼吸が浅い。苦しい。

手が差し伸べられた。吸い込まれるような瞳。

「俺と踊ってくれませんか。」

本能的に、その手をとっていた。
彼は一瞬驚いたけれどすぐに嬉しそうに笑って、私を抱えて羽を大きくはためかせ、窓を突き破って、雪がしずかにちらつく空を一瞬で飛んだ。
私は18年間の全ての世界を一度も振り向かなかった。今まで私を閉じ込めていた、今まで私を育ててきた両親に、何故か情も湧かなかった。すっぽりと私を包む名前も知らない人間でもない体が、今の私の全てだった。
気付いたら城の屋上に降り立っていた。彼は私の手をひいて、螺旋階段を駆け下りる。足がおぼつかない私を見て、一瞬でその体を抱え込み、階段を下りきったら、ひとつ部屋に入った。
部屋の中央に、ひとつだけ。真っ赤な、それはそれは綺麗なドレスが飾られていた。
めまぐるしい移動に、私は頭が追いつかないまま、そのドレスをぼうと見つめていた。

「ナマエちゃんのためのドレスだよ。」

ゆっくりと私を地面に降ろすと、彼は嬉しそうに、外で待っているから着替えさせてもらって、と言う。彼がドアを開けると、何人かの女が入り込んで、そのドレスに手をかけた。私が何も言わないまま、彼はドアの外へ行ってしまい、勝手に着替えが進められていく。全てが一瞬に過ぎていく。全て決められた段取りのように。いやきっと、決められた段取りだったのだろう。
あっという間に私の体はドレスにぴったりとおさまり、見たこともないような綺麗な靴が用意されていて、まるで、御伽噺で読んだ魔法のようだった。
首元が露出された赤いドレス。噛まれやすいようになっているのだろうか。そっと首をなぞると、ぞくりとした。








「おそ松兄さん。」

ナマエちゃんを部屋に置いて出ると、不機嫌な顔をした兄弟達がぞろぞろと歩いてきた。もうばれてしまったか。18年間、守り続けてた俺の宝物。つくづく、こういう所は俺に似ているのが憎い。

「なんか、いい匂いするー!」
「...何連れ込んだの?」
「もしかして、」

チョロ松が、目敏く俺を見つめる。俺はやれやれと息をついた。

「多分それビンゴー。」
「お前、まだあの赤ん坊狙ってたの?」
「えっ赤ん坊、って、もしかしてあの?宿屋の娘?」
「よく考えてみろよ、おそ松兄さんだけ長い間人間連れ込まなかっただろ。」

5人が一斉にワアワアと話し出すと、収拾がつかない。これだから、6人兄弟は嫌なんだ。
確かに、彼女に会うまでは6人で色んな人間を城に連れ込んでは欲望のままに血を吸い続けた。血を吸うことで俺らは満たされない欲望を一時的に満たすことができたし、不思議と快感を得ることができた。自ら進んで吸われたいなんて望む人間に関しては、それはそれは極上な味がした。だから俺達は人間を騙し、完全に陥れてから血を飲む事を繰り返して生きていた。彼女に会うまでは。
町に赤ん坊が生まれたと聞きつけた時、赤ん坊をさらって吸血鬼だと思い込ませて育てたら、どんな味がするだろうと想像した。生まれたときから催眠をかけられた人間の血は、それはかつて無いほどに極上なものだろう。俺は兄弟達に知られる前に、18年前の夜中、雪の中、彼女をさらいに行ったのだ。

「おそ松兄さん、知ってると思うが、薔薇の花は俺達の身を焼き焦がす。」

カラ松が真剣な眼差しで口を開いた。他4人は、また訳の分からないことを、とため息をついたが、俺はカラ松の言葉につい笑みを浮かべてしまう。

「ナマエちゃんが薔薇だって?」
「だっておそ松兄さんは、彼女を、」
「それ以上言うな。」

ピリッと空気が殺気立った。一気に5人の顔色が青ざめるのがよく分かった。それでも俺は愛する弟達をにらみつける。

「ナマエちゃんに指一本でも触れたら、兄弟だからって容赦しねーからな。」

誰も俺の宝物に触らせはしない。
あの日欲望にまみれた俺を見て、そう正に、薔薇のように笑った彼女の瞳は俺だけのものだ。大地が生み出したこの世で最も美しい花。その花が俺の身をどんなに痛め付けようと、焼き焦がそうと、構わない。彼女がその血に身を汚したくないと言うのなら受け入れるし、彼女が望むのなら俺の手で永遠にしてやろう。ヴァンパイアとして生きてきたこの宿命を捨てて、一生吸血活動をやめることだって厭わない。
俺の欲望はあの日からずっと、彼女だけだ。









私を着替えさせると女達はすぐにそのドアを開け何も言わずに立ち去り、少し時間をおいて彼が入ってきた。彼は黒い燕尾服に着替えていて、その大きな羽をはためかせながら、私を見ると目を見開いて、笑う。彼の顔は、蕩けるように甘い。

「すげーかわいい。」

彼の声は私の脳味噌をどろどろに溶かしていくようだった。心臓がはちきれるようにうるさい。目の前のこの生物はなんと、愚かで、儚いのだろう。

「行こう、俺のナマエちゃん。俺と君の為の舞踏会に。」

壊れ物を扱うかのように私の手をとった彼の手を、私は逆に引っ張った。くん、と彼の体が私の方に寄せられて、初めて大きく表情が変わる。

「えっ。」
「舞踏会なんて要らないから、今ここで、私を食べてくれませんか。」

彼の瞳の奥が赤く光った。ごくりと喉元が鳴るのが聞こえた。戸惑った表情と、笑みが、混ざっていた。私を思う気持ちと、ヴァンパイアとしての欲望が入り混じった彼。彼はヴァンパイアなのにこんなにも、こんなにも、人間臭い。
彼は躊躇い、私から離れる。

「いいの?血を吸われたら人間には戻れないんだよ。」
「私になんでもくれるんですよね。」
「…もちろん。」
「私がさっきから苦しいのが恋なら、」

どくり、どくり、と、私の血が体中を巡っていく。心臓のポンプが強く早く、体中に血を通わせる。この血が全て、彼に飲まれるためにあるように、彼を見ていると全身の血が騒ぐように体中を駆け巡る。

「あなたが私を愛しているなら、」

食べれますよね。

彼はもう何も言わなかった。人間の私のほうがヴァンパイアの彼よりよっぽど欲望に忠実だと思った。彼に全て壊して欲しいなんて愚かな、不確かな感情。
ああ、神様。どうか、名前も知らぬヴァンパイアに抱いたこの感情を、私の望んでいた恋だと信じさせてください。
瞳が赤く赤く光り、彼は優しくそっと私の体に手をかける。するりと頬に手を寄せて、おでこから匂いをかぐように、鼻先が徐々に首元に落ちていく。
心臓がうるさい。私はそっと彼の腕に手をかけて、肩越しに窓の外、降る雪を見つめていた。
ぺろりと、彼のざらりとした生暖かい舌が私の首筋を舐める。早い呼吸音が、首筋にかかり、ひやりとする。しゃぶるように首筋が舐められていく。八重歯が肌を傷付けないように掠め、自分の体が少し震えるのが分かった。呼吸が加速していく。視界がぼやけた。それでも心も、体も、何故か満たされているように、悦ばしい。
彼が耳元で愛しているよ、と呟いた瞬間、私の脳味噌は溶けきって世界は真っ暗になる。美しくて、赤い、赤い、薔薇の花びらが雪の上に散っていった。





INSPIRE FROM "TANZ DER VAMPIRE"