理由なんてありすぎるけど
誰かに呼ばれた気がしたんだ。
「あん?ついにキたのか、お前。」
「キたとか言うなよ。ホントだって。」
この馬鹿とは付き合いは長いが、未だによく分からねえ。先日のこともしかりだが予測しにくい。変化球野郎。ただそれは、おれが分からないだけかも知れない。
「ずーっと昔からなんだよなー。」
「ああなるほど、昔からお前はキテるってワケだな。納得。」
「違うっつの。ほれ。」
差し出されたさくらんぼ。シャンクスが頼んだ馬鹿みたいにでっかいパフェのてっぺん、悠々と陣取っていたヤツだ。少々迷ったが席も店内の隅に位置している。仕方なく持たせたままかじりついた。案の定シャンクスの野郎は嬉しそうに笑って、おれが食べ終わるのを見つめている。
何でだろうか。
考えれば考えるほど、答えには遠ざかってて。
「あ、分かった。」
すっとオレを指差した。首をこてりと傾けると、また笑う。
「お前に呼ばれてたんだ。」
答えが見つかる気がして、重なる唇を受け入れる。
(この馬鹿のどこに惹かれてしまったのだろうか。)
title:DOGOD69