るのをやめました

煌びやかな衣装、華やかな髪飾り。きっとどれも彼女に似合うに違いない。凜とした佇まいを持つ彼女だがピンク色も良いかもしれない。ボクはプラズマ団の所謂、下っ端が献上した贈り物の品定めしていた。彼女ホワイトともっと打ち解ける為、無理を言って毎日贈ってもらっている。
今日身に着けてもらう衣服を決め、軽い足取りでボクは彼女の部屋へ向かう。ホワイトの部屋は城の中でも日当たりが良い位置にある。とは言っても城自体に高さがある為、どの部屋もある程度の明るさはある。軽く扉をノックするが返答はない。時折寂しさを覚えるがもう慣れてしまった。

「ホワイト、今日は気分を変えて昼頃ドレスに着がえよう。それで下の広間でパーティーするんだ。」

そう言いながら部屋に入ると、ホワイトはベッドの上で外を見つめていた。服と言えば下着の上から、透けていてフリルをあしらったキャミソールを一枚着ているだけだ。ボクは朝この部屋に入るたびドキッとする。本当はちゃんと着て欲しいんだけど寝巻きは嫌だと、一向に首を縦に振ってくれない。

「ホワイトご飯食べに行くから着替えて。」

ホワイトは小さく頷いてくれた。最近ホワイトはめっきり口数が減ってしまった。今日のように頷いてくれたりしたらまだ良い方で、それこそ何の反応も見せないことも多々ある。最初の頃はこの部屋に入るのを嫌がって喚き散らしていたことも、今では懐かしくなった。そっとホワイトの手を握り締める。こうするといつもホワイトは困ったようにボクの眼を見つめる。まだボクを見てくれている。それだけでボクは満たされているのだ。

「ホワイト…ボクのこと好き?」
「…あ…ぅ…。」

ボクの手を振り払って、ホワイトは喉を押さえ込んだ。絞り出そうとしているのか、声を消そうとしているのか。分かろうともしないでボクはホワイトの隣で一人、彼女を支配しているような気がして優越感に浸っていた。トモダチのことや幼なじみのことを考えながらも、ボクを突き放せないでいる彼女がどうしようもなく愛しかった。けれど咽び泣くようにえづいた君が、小さく拒絶の言葉を吐いたことさえ、ボクは気づかないままだったんだ。


20110328



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